台湾萬歳のレビュー・感想・評価
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監督の舞台挨拶を聞いて腑に落ちる。
監督の舞台挨拶があり、この日しか上映してないので行ってみた。
台湾の南東部の田舎で、先住民族と漢民族が半分ずつの割合でくらす成功鎮という町が主な舞台。
昔ながらの文化、そして日本統治時代のこと、先住民族の文化を淡々と描く。
日本がかつて統治していたのを美化することもなく、そして統治されていた立場の人からの話もあり、戦争は起こしてはいけないということを間接的に伝えようとしている。
最後の台湾がいろんな国に統治されていて標的にされていたのを「宝島」と表現していた。
まさに世界の国々に振り回された台湾。
そして田舎にいながら世界につながっているという視点から描こうとしたと監督が話していて、それを聞かないとじいちゃんが毎日のように畑に行って何をする訳でもないようなシーンがある意味は分かりづらい。
そこが自分の居場所であり、そこからの広がりだとは思うが、歴史的説明とともに何か説明を加える必要があるだろう。
これは監督の意図を聞きながらでないと星の数が出せない。→逆に作品だけで判断できないというのは、作品としてはビミョーなのかもしれない。
三部作の中で一番生活感に満ちています
これまでの2作品とは趣向を変え、成功鎮という小さな町(あと少し山に近い集落)登場する人たちの日常や伝統の継承を、台湾の自然とのかかわりを交えていたのが大変印象的。
親日台湾に躍らされ慣れきった人にはつまらないだろうが。
監督には老兵の話も撮って欲しいな。もう難しいだろうけど。
蹂躙され続けた歴史の後で
日本、国民党、共産党。日本人、漢族。台湾に元から住む民族の人達のアイデンティティは、外部からの強制と共生することから始まる。台湾の人達には、日本(人)に親近感を感じる人が多いと言われるが、明治の台湾領有はしょせん植民地化だったことも見えた。
それらを含め、日常を大切に丁寧に追いかけた佳作だと思う。
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