マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)のレビュー・感想・評価
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もっとユーモラスに
一流の芸術家にはなれなかったためか、鬱屈した気持ちもあって見栄を張ったり、空威張りしたりのわがままな生き方をしている父親。結婚、離婚を繰り返し、現在は4人目の奥さんと暮らしている。この父親の彫刻作品展を企画する兄妹、もう一人の異母弟は父親の家や作品を売ろうとしている。
こんな事情で顔を揃えた親子が繰り広げる他愛ない家族のあれやこれやをつぶやくように描いている。たいしたことは何も起こらない。起こらないが、こんな家族もどこかにいるに違いないと思わせてくれる。
その中心はやはり、個性的な父親なくしてドラマは成り立たない。結婚歴や性格、いちばん子供っぽい老人といったキャラクターを演じるダスティン・ホフマンの傍若無人ぶりがいい。4人目の妻を演じるエマ・トンプソンのおとぼけっぷりもなかなかいい。
このふたりに比べると、アダム・サンドラーとベン・スティラー はあまり笑わせてくれなかった。
家族は選べない…
とても偏屈な父親。だから結婚と離婚を繰り返しており、異母兄弟がいる。今の妻も強烈に偏屈。こんな奴付き合いたくない。次男マシューを最も可愛がっているのだろうが、長男ダニーを頼る。長女ジーンは相手にもしていない。父親に振り回されていると分かっているものの、結局は父親の元に集まってくる。父親が原因でバラバラな家族ながら、父親がいないともっとバラバラという逆説的な関係。所々笑えた部分あるが映画のストーリーとしてはこれ面白いのだのうかと疑問に思う。折角の豪華キャストなのに残念。途中、娘のイライザの前衛的なエログロ映像は不要な気がする。
負け犬の強がり
最後が分からなかったので、もう一度見た。『ホイットニー美術館にあった。』
僕の父親も脳溢血で倒れ、余命2週間と言われ、『これで、気持ちの整理が付く』と覚悟したら、その後、5年間寝たきりだった。この映画見て、そんな事を思い出した。
会話が噛み合わない位バラバラな家族が、とんでもない親父を中心に回っている。僕はそう受け取った。存在が消えて無くなれば、この家族はバラバラになると感じた。そして、我が家もそうなりかけた。今は違うけど。
この映画でも、主人公の娘が、この家族を繋げる役になるんじゃないかと感じた。しばらくぶりに腹を抱えて笑えた。
噛み合わない会話
が延々と続く…歯がゆい舞台劇のような作品。
ダスティン演じるハロルドは、人の話を聞かないで、自分の考えを押し付け、それで煙たがられていたことにも気づかない。
それぞれ離婚を繰り返すことで家族関係はなんだか複雑に。
しかし、異母兄弟達はなんだかんだ集まってくる。
倒れて入院した後はなおのこと。
根が優しいのである。
なるほど、と思ったセリフもあったけど、やはりそれだけでは辛いな。
最後の方はちょっと飽きてしまった。
クッキーのお皿を投げつけた後の、アダムの口元アップが印象的だったが。
「イカとクジラ」の監督さんだったんだ。
アイゼンバーグ目当てで観て、撃沈だったんだよね…やはり。
相性悪いのかな〜?
家族だからこそ
安心して好き勝手、してしまうし、逃げたくても逃げられないし、だけどやっぱり、血は争えなくて、他人には知り得ない、繋がりがある。
家族間でしか生まれることのない、関係性とはなんてめんどくさくて嬉しいんだろう!
親離れできないアダルトチルドレン
モラトリアムや引きこもり、オタクとは一味違うアダルトチルドレン(大人になりきれない大人たち)を優しい眼差しで見つめるノア・バームバック。この人、自立した大人になれない、いやなろうとしない原因を親の離婚に求めた映画をずうっと撮り続けている映画監督さんなのである。『イカとクジラ』、『ヤングアダルト NY』 、本作、そして直近の『マリッジ・ストーリー』とそのテーマ性にはブレがないが、このバームバックが撮った映画にはどこか共感できない、というかはっきりいって好きではない。
彫刻家の父親ハロルド(ダスティン・ホフマン)に振り回される3兄弟ジーン(エリザベス・マーベル)、ダニー(アダム・サンドラー)、マシュー(ベン・スティラー)。現在は無職の元ピアニストダニーには一人娘のイライザがいる。一応ビジネスマンとして成功している異母兄弟のマシューも兄貴同様離婚秒読み状態だ。離婚と再婚を繰り返す父親のことを疎ましく思ってはいるが心のどこかではハロルドに愛されたいと思っている3兄弟は、何かというと父親の側に戻ってきては心の傷をなめあうのである。そんなハロルドが意識不明になって…
この後重大な事件が起こるかというとそうでもなく、ウダウダとした噛み合わない会話が淡々と続いていくだけ。映画のストーリーを追ってもほぼ意味がないのはいつものバームバック流で、観客がおかれている現実世界の家庭環境との共通項をいくつ見いだせるかで本作品の評価はきまってくるだろう。私が育った環境とはほとんど真逆のマイヤーウィッツ家は、うらやましく感じられる一方で、いい年こいてこいつらいつまで甘えりゃ気がすむんだと思えてくるのも事実。この価値観の相違はいかんともしがたく、一連のバームバック作品に私自身が馴染めない理由もまさにそこにあるのだ。
しかしそんな私も、本作品中の唯一といってもいいある演出法と、本作品をNetflix独占配信にした監督の意図には好感がもてる。マイーヤーウィッツ家の面々が感情を高ぶらせる場面で必ずといっていいほど、会話を途中でぶつ切りにするという荒業を見せているのだ。言い替えるならば、観客の過度な感情移入を妨げる演出法をわざわざ取り入れているのである。バームバック自身の非常にプライベートな部分を露出したことに対する一種の“照れ”が、そのような演出を監督に選ばせたのではないだろうか。わかる奴にだけわかればいい。あえて本作を劇場公開にしなかったバームバックの意図もそこにあったのではないだろうか。
参考にならない個人的感想
気軽に見始めたけどキツかった、映画の出来栄えではなく話が。【周りを振り回す父親】というのが客観視できなくて。自分は「許すよ」と小声でつぶやけない。他界した今でも思い出しては『クソッ許せん』と思ってしまう。おっとこれはレビューじゃないね。
豪華キャストで描く(特殊な)ファミリードラマ。ベン・スティラーの表情にはいつも何かしらの感銘を受ける。ダスティン・ホフマンは上手過ぎ。それゆえ噛み合わない話をしているシーンは二度と見たくないほど苦痛であった。時に上手すぎる演技とはそういうものかもしれない。
最高
最高でした。家族ドラマと言えど、上質なものが詰まっています。繊細かつ皮肉なユーモアと共に、それぞれの人物を現代的編集で軽やかに描く。映画全体として、決して悲観的でなく人間賛歌のような希望的な温かさを受け取ります。日本映画にはみられないものですね。ノアバームバックのさらなる新作が楽しみになりました。
ガッカリ
監督・脚本が『イカとクジラ』のノア・バームバックだから期待して観たが、ガッカリした。ウディ・アレンにも言えることなのだが、「普遍的ないびつな家族」のことを描いているように見えて、実はニューヨークなどに住む「アーティスト一家」のことが多く、あまり感情移入できない。
チョットずつズレてる
頑固で見栄っ張り?なD・ホフマンが安定の演技で可愛らしい風貌に癒される。
この家族はみんなドコかズレていて常識的なようで考えや行動が地味にシュールにブッ飛んでいる。
N・バームバックお得意の滑稽な人間模様が随所に魅力あるマイヤー・ウィッツ家の人々。
映画「浮き草たち」のG・V・パタンも素敵な存在感で平然とハレンチな映画を発表してる感じとか家族のリアクションも含めて笑える。
とにかく文句無しのキャスティング(A・ドライバーもチョイ役)に監督の癒される雰囲気な世界観に和む。
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