劇場公開日 2017年7月29日

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「ぐっとくるラスト」ローサは密告された okaoka0820さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ぐっとくるラスト

2019年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

こんなにぐっとくるラストシーンを見たのは久しぶり。

麻薬密売を密告された夫婦とその子供達が、保釈の金策に奔走するというごくシンプルな内容。とくにどんでん返しやサスペンス要素があるわけでもない。

麻薬が蔓延する都市、汚職が常態化している警察を描いているのが、テーマはそこではないような気がする。もちろん、重要な要素ではあると思うが、この映画、本質は違うところにある。

言葉にするのが難しいが、生きている実感、普段気付けないありふれた日常にこそある幸福感、それを映しているような気がする。
雑多な町の風景は生きていることを感じさせる。

なによりラスト。涙を流しながらお団子を頬張るローサ。視線の先には、小さな店の片付けをする家族の姿。いつも食べてる平凡なお団子の味。

犯罪に手を染め捕まってはじめて大事なものに気づく。遠くなってしまった平凡な日常が輝いて見えてしまう。犯罪に限らず、誰かを亡くしたり、病気になったり、何か絶望的な状況になったことがある人ならば理解できる心境だと思う。なにもかもが輝いて見えてしまう、あの感じ。

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okaoka0820