パッション・フラメンコのレビュー・感想・評価
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新フラメンコは苦手
小学生の頃から舞台で踊っていたというサラ・バラスのフラメンコ「voices」の最新公演に焦点をあてたドキュメントですが印象としてはサラ・バラスの哲学的な語りや仲間内の賞賛などが多くて、まるで彼女のプロモーション・ビデオでした。
私にとってフラメンコと言えば土着的なジプシー音楽が原点だと勘違いしていましたからフラメンコが女性がソロで激しく足を踏み鳴らしながら踊る(サパテアード)ことが多く、ギターと歌が伴奏の基本というのは本作で再認識。
映画は能書きが多く、舞台は現代的で完全にショー化しており、前半のフラメンコ独特のフリルも少ない軽装の衣装やスポットライト、それもタップダンスかと思える軽妙なステップはどうもしっくりきませんでした。
でも、伝統芸能の革新への挑戦と言う彼女の真摯な取り組みは尊敬に値するものであることは間違いないでしょうね。
フラメンコファン必見
ツアーの全貌がわかる内容になっており、とても興味深く拝見しました。特にニューヨーク公演におけるサックスとのコラボレーションは必見だと思います。サラがジャズとフラメンコの共通点を語る所には、なるほどな、、と納得させられました。
また、彼女にとっての日本、とりわけ、新宿エルフラメンコとの関わりについて詳しく取り上げられていて、この点もとても興味深かったです。
総じて感じたのは、サラバラスは正真正銘のスターなんだというところ。
もちろんトップダンサーとしての苦悩はあるけれど、同時に、スターとしての自覚と目的意識がしっかりある人なのだと感じました。(お父さんが軍人さんでお母さんがフラメンコ教師という点を聞いてさらに納得。。)
自分のパッションをアーティスティックに爆発させるだけでなく、それを社会の為にどう役立てればいいかを考えている。私心に振り回されずに素直に感じる事ができる、本当の意味で強い人だなと思いました。
彼女の人となりも感じられる、よい一本でした。◎
フラメンコダンサーの舞台裏
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