新トレマーズ モンゴリアン・デス・ワームの巣窟のレビュー・感想・評価
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レンタルビデオ屋狙いの詐欺タイトル
日本のタイトルは、日本人に分かり易い様に変更される事もある。例えば「バイオハザード」。日本では馴染みのあるタイトルだが、原題はと言うと「Resident Evil」である。
こういうのは普通にあるが、中々日の光を浴びない劇場未公開作品だと、よく大作のレンタル開始時期と合わせるかの様に"パチもん"が陳列され、映画に詳しくない人がレンタルしてしまう事案がある。
その良くある商法は、"X商法"であり、大作タイトルに"X"を付けた邦題で、大作の横に平気で陳列されているのである。こいつらは探せば大量に出てきて、「エイリアンX」、「プレデターX」、「ターミネーターX」「スピーシーズX」等だ。その他にも「エイリアン・ゼロ」、「宇宙戦争ZERO」、等の"ゼロ商法"もある中で、近年増えているのが"新商法"だ。恐らく最近は「シン・ゴジラ」から取った物であり、「シン・ジョーズ」等が早速出回っている。
その中で本作は「シン・ゴジラ」以前に製作された作品の為、その辺は目新しいかも知れないが、いずれにせよ同じ商法である事に違はない。
そんなタイトルの作品だが、本編は意外と真面目であり、サスペンス、カーアクション、アドベンチャー的展開、そしてモンスターパニックとあらゆる要素を入れた大作である。この手の作品で良くある無駄なエロシーンや安いグロ描写は無く、午後のロードショーにピッタリの作品だと思う。VFXで処理されるモンゴリアン・デス・ワームは動きこそ鈍いデカいイモムシだが、出来栄えは悪く無いだろう。安っぽいVFXだと、それが分かっていても幻滅するが、そういう事は無い為この手の作品に慣れていれば大きな不満は無いはずだ。
ただ残念なのは数多くある要素が上手く交わらないという事だ。結局は工場の拡張工事中に職員らがある物を見つけ、地中の環境が変化した事でワームも蘇ったという顛末なのだが、ストーリーと何の脈絡もなくワームが人を襲い、工場の所長は終始あれを隠せだ連絡はつかねぇのかなどと喚き散らしており、鑑賞者はそれが何に対してなのかが分からないまま所長がイライラしているシーンを永遠と観させられている。それと同時進行で国境なき医師団風の医療従事者のヒロインと、訳あって相乗りする事になる破天荒な主人公の物語が展開され、まとまっている様でとっ散らかった印象だった。全体的に緊迫感も薄い気もしたが、未公開作品のクオリティにしては次第点だろう。
何度も言うが劇場未公開作品の平均レベルを知らない人にはオススメしない作品である。手に取る際は要注意だ。
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