ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦のレビュー・感想・評価
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国が目指すべき未来に自分は何が出来るのか?
ヒトラーの暗殺作品は何本も見たがハイドリヒの暗殺作品は始めて見た。
これは史実作品だからその歴史から教訓にすべきなのだろうが、特にこの愛国心という考え方に自分も含め我々日本人は疎い。
しかし、現実に日本上空をミサイルが飛び、憲法改定が叫ばれているのだから、映画鑑賞で終わらせられないだろう。
静かに狂おしい哀しみ
歴史とは過去でも知識でもない、痛みのある現実だ。と、痛烈に教えてくれる物語。やはりナチス党は化け物のように描かれているのだが、主人公サイドも暗く輝いて、危うさや狂気がみてとれる。必死な時代の痛烈な熱量が、哀しげな笑顔が、少年のバイオリンの調べに乗って刺さってくるようだ。
今年はこの手の上映が近所で多く、嬉しい限り。しかと刻んで生きていきたい。
(イギリスに翻弄される)チェコ亡命政府
チェコ亡命政府による不条理な指示。
最後のクレジットを観るとイギリスに翻弄されたのかなと感じましたが、皆んな立場は違えど、愛する祖国に守ろうとする。
大戦後も時代の波に翻弄された東欧諸国をもっと知らなければと感じさせられました。
史実をこれだけのエンターテイメントに仕上げた脚本、監督、カメラワークはあっぱれ。
是非とも映画館で観るべき。
しかし、平日の夕方ながら誰も居ない映画館は寂し過ぎました。もう少し取り上げて欲しかったな。
全体主義の恐怖、チェコの悲劇を学ぶ
ナチス・ドイツの恐怖をあらためて目の当たりに。本当にチェコという国は繰り返し悲劇に見舞われているが、そのひとつを目撃したかのような迫真の映画だった。映像の感じがちょっとざらざらしたような古い感じがあって、迫真さに寄与していたように思う。気持ちに余裕がないとこの手の戦争映画は観られないので観る人を選ぶ映画だが、是非とも若い方々に目を背けずに観て欲しい。
実話の重さ
重く息苦しいが、それはナチの時代の空気を写しているのか。実行までの緊張、参加者の逡巡、いざ実行したあとの客観的には無理としか思えない脱出への葛藤、達成感のなさ…すべてが実話だという事実とともに迫ってくる。映画としても傑作。
悲惨な最期
史実を知っているから、最後は悲惨なのはわかっていたけどよりナチスの非人間的な行為と恐怖がひしひしと伝わる映画。暗殺部隊のミッションと暗殺の報復として、多くの事件と関係性がない人達が殺されてしまうその葛藤がよく描かれている。暗殺部隊に協力した女性たちも強かった。密告者は戦後処刑されたらしい。
惨すぎる真実
連合国から見捨てられたチェコに於けるナチスの蛮行。
権力を手にした人間が狂気に支配され蛮行に走ることの恐怖、あまりに惨い史実に戦慄を覚えた。
同じ題材を扱った『あかつきの7人』ほどの感動は覚え無かったが、迫力ある映像に圧倒されるものであった。
この先も平和が続くことを願わずにはいられないものでした。
現実の世界にヒーローはいない。
現実の世界にヒーローはいない。
それをわかっているうえで、だからこそヒーローを夢見るし、スーパーヒーロー映画を楽しむのだけど。
現実はかくも冷酷で残酷だ。善良な隣人が銃を持ち、仲間を密告する。信念を持って起こした行動が原因で無関係の人々が大量に死んでしまう。
自分が当事者になったら何を選択し行動するだろう?と鑑賞中、ずっと自問していた。
武力の最大の敵は人々の勇気
震える手で弾倉に一発ずつ弾を込める。訓練通りにすれば大丈夫だと自分に言い聞かせる。緊迫する場面で兵士はそうやって恐怖心を克服するのだ。
第二次大戦を舞台にした映画は山のようにあるが、チェコスロバキアが舞台で暗殺作戦を描いた作品は珍しい。ハイドリヒ暗殺についての作品は、1971年の映画「抵抗のプラハ」までさかのぼる。
テロで世界を変えられないと主張する人は多い。そういう人にとっては、戦争はテロではないのだろう。しかし武器を持たない一般人にとって、戦争もテロも人殺しという点では同じだ。どちらも大義名分のために武器で人を殺す。規模が違うだけである。
他者や他国を憎み、差別し、排斥しようとするとテロや戦争になることは歴史が示している。しかし依然として世界はヘイトスピーチであふれかえっている。ヘイトスピーチをする人は戦争をする人だ。そういう人間が権力と武器を手にするとどうなるか。暗愚の宰相が務める極東の島国では、その方向に進みつつある。東京がプラハになる日は近いかもしれない。
主人公の兵士たちにとっては、暗殺作戦はテロではなくて戦争である。理不尽に市民を虐殺するハイドリヒ。たとえ彼を殺しても次のハイドリヒが現われるだけだとシニカルな見方をすることもできる。しかしナチ中枢のハイドリヒが殺されることは、ナチの絶大な武力にも穴があることを露呈することになる。付け入る隙を世界に示すことになるのだ。ナチはそれが許せない。だから大規模な報復作戦に出る。現金を数えるように人の命を数え、市民の恐怖心を増大させようとする。武力による支配は恐怖心に訴える支配なのだ。
武器を持たない無抵抗の市民はただ殺される。希望はない。しかし心の中までは武力で支配されることはない。武力に震え上がる恐怖心を克服し、心の自由を保ち続ける勇気だけが、理不尽な武力に対抗しうる人類の最後の手段である。
硬派な戦争映画
1942年、ナチスドイツ支配下のプラハ。ロンドンに亡命したチェコ政府が送り込んだ将校たちが、ユダヤ人大量虐殺の首謀者でナチス親衛隊幹部のハイドリヒを暗殺した(エンスラポイド作戦)。映画は、この作戦とナチスの凄惨な報復の、実話に基づく物語。
戦争の暴力の外縁を、理不尽、むき出しの悪意、凶暴性、無慈悲、絶望などの言葉で表現することはできる。だけどこの映画から目に飛び込んでくる戦争の現実は、思考を拒否するのです。衝撃を言い表すことができない。そして、言葉にならなかった傷が心に沈殿してゆく。今となっては、歴史を検証し、その意味を言葉にすることができるし、それはとても重要なこと。でも、言葉にもならない現実の衝撃を伝えるのは、映画でこその仕事だと思った。こんな現実を体験するのは絶対にイヤだと、心に刻まれるのです。
実話で当然だが、リアルさ、緊張感、残酷さ、非情さ、、半端ではない。...
実話で当然だが、リアルさ、緊張感、残酷さ、非情さ、、半端ではない。演出、背景、撮影、演技どれも期待以上で、息を飲む。
唯一、最後の戦闘場面はあまりに流すぎ。
そもそもあの装備では弾がないだろうし、可能性ゼロで引っ張られても途中からは退屈なだけ。
戦闘シーン5分カットするだけで名作になったはず。
観ての満足度は高いです。
新宿武蔵野館
類人猿作戦
第二次世界大戦中のチェコスロバキアで実際にあったラインハルト・ハイドリヒの暗殺作戦、エンスラポイド作戦の話。
事細かな内容までは知らないけれど、この出来事と結末ぐらいは知っている状況で鑑賞。
作戦の準備段階の出来事や描写が結構細かくて冗長。
ヒューマンドラマを期待していた訳ではないので、そこは端折ってくれたり、ドラマ部分ももっとあっさりでテンポが良い方が好み。
作戦が始まってからの展開はなかなか鬼気迫る。
しかしながら作戦後は関係者への尋問や殺害シーンはあるものの民間人の虐殺等のところは殆どなく字幕処理。
後半は見応えあったものの、戦争映画なんだから残酷さもちゃんとみせるべきだと思うけど。
歴史認識を新たにしました。
事実に基づいた作品。ユダヤ人問題の最終的解決計画の実質的な推進者であったラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画『エンスラポイド作戦』を描いている。原題の『Anthropoid』とは、その暗殺作戦名の事。
不勉強で、ハイドリヒの事、そして、エンスラポイド作戦の事は、はっきりと認識していませんでした。ナチスの高官が暗殺されたことがあると言う事と、その暗殺の結果、村が一つ完全に破壊された事は知っていましたが、この出来事と結びつきませんでした。
前半は、在チェコスロバキア・レジスタンスと、イギリスの亡命チェコスロバキア政府から送り込まれてきた暗殺部隊の間で、多少の軋轢を生みながらも、暗殺に向けた準備が描かれます。意外に、単調なので、睡魔が・・・。
ハイドリヒの暗殺を実行し、潜伏していた教会がナチスから襲撃を受けるところがハイライトでしょうか。激しい銃撃シーンなので、そういう意味でも中々見せるところだったと思います。
圧倒的なナチス側の戦力に対して、ゲリラ程度の戦力しかない暗殺部隊側ですが、地の利と言うか、攻撃場所の優位性を生かして、最初は中々良い出だしをしますが、暗殺部隊側は弾は尽きるし、倒しても倒してもナチスは攻めてくるはで、善戦したものの暗殺部隊は壊滅。まぁ、そうなるか。ちゃんと、無事に出発地に戻るまでが暗殺作戦なのですがね。
あとから調べてみたのですが、だいぶ事実に即して描いていますね。最後の教会も現存していて、当時の攻防の銃撃の跡が残っているようです。
改めて戦争の悲惨さを認識する
実は戦争映画🎬は苦手で…jamie 見たさに観に行きました!
戦争の悲惨さ、ナチの残忍さを、悲劇を生々しく描かれていました!
母国を、愛する人を守りたいと思うレジスタンスの葛藤、大義と情のはざまで懸命に戦いラスト30分の緊迫感、涙無しでは観れませんでした!
jamie はカッコ良く、手の動きが繊細に演じられているのが印象的でした!
観客が中年以上のおじ様方が多かったのも印象的でした!
戦争は不毛で馬鹿らしいと再確認できる映画
邦題から、バリバリの精鋭部隊が暗殺計画を遂行した裏側を描くハードボイルドな映画をイメージしていましたが、
それよりも、作戦に青春を捧げた若者たちの葛藤と、彼らを支援した人々を描いた映画でした。
戦争なんて、ひとっっつも良いことない!!
戦争の全てが、不毛で馬鹿らしいと再確認できる作品です。
「成功したとしても、ヘタすりゃチェコの国が無くなりかねない。」と仲間のレジスタンスに反対されるような暗殺計画に、所詮戦争なんて政治的な国と国との駆け引きでしかないと感じました。
そして、最前線で犠牲になるのは市民たち。
それを半ば知りつつ任務を遂行する主人公たち。
ストーリーは歴史的事実なので、ネタバレは無いようなものですが、結末を知らずにご覧になる方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は2回観るのが正解かもしれません。
トークゲストの海老名香葉子さんは2回ご覧になったそうで「2回目は最初から泣き通しで、涙が止まらなかった。」と、おっしゃってました。
確かに。実際に映画を観て納得。
とても丁寧に描かれているので、1回目は人物達に引き込まれ、彼らの目線から史実を一緒に追うような感覚になります。
おそらく2回目は、初めからカウントダウンを意識するので、彼らのかけがえのない日々を追うことになるのではないでしょうか?
そりゃ〜涙が止まらないし、戦争さえ無ければ!!と思わずにはいられないでしょう。゚(゚´Д`゚)゚。
(戦争があったから出逢えたとは思いたくない)
戦いのシーンは臨場感があって、思わず目を背けたくなりますが、
戦時中を語る人が減り、そのままにしておくと風化していくであろう大戦の出来事から目を背けない…それが平和な時代に生きる私の、最低限の責任ような気がして最後まで見届けました。
それに、今も紛争の只中にある地域もあるのですから、せめて、たまにフィクションを観て心を痛めるぐらいは。
見所は、密告に賞金がかけられていて、味方すら信用出来ない緊迫した状態のなかで芽生える同志の結束。
そして、ほのかな恋…。
ラストシーンは映画ならではの演出で、「せめてそうであってほしい。」と思わずにはいられません。
匿ってくれた家から去る時の、手の芝居が素晴らしい!
アタの演奏するバイオリンの音色が物悲しく、パジャマを着たまま練習しているシーンの緊張感も見応えがありました。
戦争映画が苦手な人にも、イケメン二人のバディ感にキュンキュンしちゃう楽しみ方もできますので、オススメですww
人を殺める緊張で手が震えるヤンに「深呼吸しろ!訓練を思い出せ!」と落ち着かせるヨゼフとか。
責任を感じて自分を責めるヨゼフを抱きしめるヤンとか。
一本で二度美味しい。( ̄+ー ̄)
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