「一番ゲスいのは…」ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
一番ゲスいのは…
タイトルからにじみ出るB級感に反して映像も綺麗なよくまとまった良作だった。
序盤は緊張感たっぷりのサスペンス。物語の真ん中くらいで転換期がきて、この後どうするの?と思っていたら後半は激しいアクション作品でした。
かなり長い時間アクション場面が続くのだが、エピローグから察するにどうやらこっちのほうに重きをおいて作品を作りたかったようだ。
重厚なサスペンスからのあまりの変化に驚いたが、前半、後半ともに大いに楽しめた。
ところで、戦争中なので至るところで過激だが、中でも一番ゲスいなぁと思うのはナチスではなくチェコ政府だと思うのです。
彼らは作品中に登場しないが、自分達はロンドンに逃げて安全な場所から指示を飛ばす。
作戦を実行すれば国民の命が危険にさらされることはわかっていたはずなのに、国連軍に認められるためにあえてそれをやった。
数千数万の国民の命より政府を選んだ。民がいれば国は成り立つ、国とは人だ(土地も必要だが)
つまり彼ら政府の人間は、若者たちの愛国心を煽っておきながら自分達は国よりも自分達政府を優先したのだ。なんともゲスい話ではないか。
突き詰めるとチェコ政府を煽ったイギリス政府が一番ゲスいということになるが、まぁ大体合ってるだろう。
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