「一人っ子がお兄ちゃんになるまで」ボス・ベイビー とえさんの映画レビュー(感想・評価)
一人っ子がお兄ちゃんになるまで
笑ったわぁ
笑いたくて観に来たから、ピッタリだった
両親の愛情をたっぷりと受けて育ってきた7歳のティム
そんな彼の元に、両親の愛情を奪うライバルの弟が生まれる!
けれど、そのベイビー、実は会社の社長で… !?
少子化が急速に進む世の中
大人たちが愛するのは、赤ちゃんよりも子犬!?
赤ちゃんが減ったら、世の中に赤ちゃんたちを送り出せなくなってしまう、赤ちゃん製造会社ベイビーコープは、子犬に奪われた大人たちの愛情を赤ちゃんに取り戻すために奮闘する
これは完全にコメディだけど、その裏では「大人の好みに合わせて」自然に反した品種改良により、まるで工場のように犬たちを大量生産するペット業界への批判と、弟ができたことで、お兄ちゃんへと成長していく少年の姿が描かれている
これまで、両親の愛情を一身に受けてきたティムに弟ができ、その愛情を弟に分けなければいけなくなった時、
本人はいつまでも、愛情を独り占めしたいと思っているけれど、
いつしか「弟と愛情を分かち合わなければいけない」と思うようになる
ティムがボスにビートルズの「ブラックバード」を歌ったとき
ティムは両親の手からはなれ、お兄ちゃんになったのである
冒険好きなティムにとって、自転車の補助輪をはずすことのように、お兄ちゃんになることを心の底では、望んでいたのではないか
仕事でトップになるために、家族への愛情を犠牲にしたボスの結末が語るように
誰にとっても、家族愛、兄弟愛は生きていくために必要なものである
少年たちは、それを兄弟げんかや、自転車での冒険を通じて学んでいくのである
可愛くて憎らしいボスベイビーに笑いつつ、ティムの成長を見守るような、そんな映画だった