「いい映画なんだけど二人の生活感が足りないかな」嘘を愛する女 TAKAさんの映画レビュー(感想・評価)
いい映画なんだけど二人の生活感が足りないかな
いま人気の高橋一生君が素性の怪しい謎の男を演じるということで興味を惹かれ鑑賞。で、見た感想ですが、まず、高橋君の人気の理由がわかった気がしました。いい具合に力が抜けているので女性目線からの思い人役をするにはちょうどよい余白が残されていて、なるほどそこが魅力なんだなと思った。この映画でもいい感じでストーリーに溶け込んでいたと思う。ただ、映画は彼の正体を探るというこの一点だけで2時間引っ張るものですが、その分、長澤さん演ずる女性と何年も一緒に暮らした生活感が全く感じられないために途中から謎解き作業がダレてくる感は否めない。もっと映画の序盤で長澤さんとの生活エピソードをイメージショットだけでなく、春夏秋冬の小ネタ(伏線)を十分な尺をとっていくつか披露し、それから謎解きに入ればもっと感情移入できたかなと思った。その上で、あのエンディングなら男の自分にも少しは泣けたかもしれない。ぶっちゃけ謎解きのプロット自体はそれほど劇的なものはなく、ミステリー感は予告編がピークで、序盤であっという間に萎んでしまう。でも役者さんの演技はそれぞれ皆さん、あっこんな人いるよねって感じでギリギリ本当にありそうな話のリアリティをうまく醸しだしていてよかったと思う。ただ一つ気になったのが、誰が悪いわけではないですが、この映画だけに限らず最近の「働く女性」上げ「専業主婦」下げと思われる偏ったストーリ展開。自分にはこれがどうにも気持ち悪く感じてのれない。自分が男だからという意味ではなく、輝いている幸せな専業主婦の方も沢山いるはずだから「働く女性」だけでなく「幸せで輝いている専業主婦」の映画・ドラマをもっとバランスよく見たいという意味です。この映画を見た方はわかると思いますが、女性は家にいるとダメになるみたいなステレオタイプの話はもういいです(またそれかって感じ)