劇場公開日 2018年2月16日

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「かなり過激で衝撃的。でもしっかり高校生ならではの闇が深く描かれている」リバーズ・エッジ ニンフィア好きさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0かなり過激で衝撃的。でもしっかり高校生ならではの闇が深く描かれている

2021年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

吉沢亮と二階堂ふみの狂気的な演技が気に入りました。この二人だけでなく、他の4人のキャラクター性からも高校生とは思わせない雰囲気が伝わりました。
著しい暴力でのいじめは現実的にも起こりうることではあるけれど、高校生が振るう暴力にしてはあまりに陰惨でさらにはタバコ、お酒、薬など未成年が手を出すあるまじきものまで出てくるのは結構な衝撃。少し不快に感じたのはその辺。しかし、「十二人の死にたい子どもたち」にもあったように未成年のタバコの場面は映画では度々見るものです。吉沢さん演じるもう一人の主人公も、殴られても白骨死体を見て落ち着くことができる、というポテンシャルがあり心の中の雷雲のように黒い闇が見えました。また、同性愛に関しても触れられており吉沢さんの同性を見る何とも言えない目つきが心をざわつかせました。主役の2人以外の登場人物たちもそれぞれの心の闇が映画の中で反映されており、テレビではあまり見ないSUМIREや森川葵などの演技も狂気的で魅力を感じました。

二階堂さんの慣れたような手つきでのたばこのふかし方がこの映画の彼女の演技の中では印象的。さらに彼女は作中で全裸も披露しており、映画に臨む態勢がうかがえます。「私の男」や「人間失格 太宰治と3人の女たち」でも同じように男と戯れる演技を見せており、彼女の女優としてのスペックがよく分かります。
吉沢さんも、よく知ったのは「キングダム」で漂・えい政を演じていたのを見たのがきっかけだけれども、「銀魂」や「斉木楠雄のY難」にも出演しておりどの映画でも確かな演技力を見せています。この映画では役柄的にかなり病んでいるような感じではあったけども闇を抱えた高校生を見事に演じていて、おそらくどの映画のどんな役を演じても彼にはマッチするのではないかと改めて思いました。

人によってはこの映画はかなり荷が重くて見ていられないかもしれないけれど、きちんと話の筋道は立っていて心に刺さるストーリー性もあるのでぜひ大人にこそ進めたい映画であると思います。
この映画の監督である行定勲の作品では、「ナラタージュ」、「ピンクとグレー」のような衝撃作品があり、行定監督の数々の作品も注目していきたいですね。

ニンフィア好き