「ど真ん中世代です」リバーズ・エッジ ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
ど真ん中世代です
リバーズ・エッジがCUTiEに連載されていた時に丁度高校生だったので、世代的にはど真ん中です。原作はCUTiEの連載でところどころ読んでました。今作は90年代が舞台ですが、劇中で描かれた人物や空気は当時の多数派ではなく少数派のことですね(そもそもCUTiEを読んでいるのが少数派でした)。
例えば、93年のヒット曲と言えば、チャゲアス、サザン、BZ、ZARDで、ヒットした映画と言えば、ジュラシックパーク、ボディガード、アラジンです。ほとんどの人は、このヒットチャートにある『楽しく』『感動』できる『健康的』なものが好きでしたし、フリッパーズギターを聴いているのは一部の洋楽好きかマニアでした。今よりも裕福でチャラチャラしていた当時を知るからこそ、劇中の描写に『虚無な90年代』という押し付けやあざとさを感じてしまい、なんだか冷めて鑑賞してしまいました。裕福でチャラチャラした空気の中で、一部の人が感じていた虚無感、所謂岡崎京子や小沢健二的な感性だったら理解できたのに。
25年前よりも現代の若者達の方が虚無感が強いと思うので、20代の監督が撮った方がリアリティがあって良かったのでは?と思います。
それに、セックスシーンや殺しのシーンが今時ではなく気持ち悪かったです。今の時代は#metooなのに、AVの様なセックスをする女性や女性への暴力の描写に辟易してしまいました。確か、原作は違ったような。表現の方法も色々とあるだろうし、今は女性の描写に細心の配慮をする時代です。邦画が良い方向に変わって欲しいです。