「乾いた闇」リバーズ・エッジ ヒレ肉さんの映画レビュー(感想・評価)
乾いた闇
原作を通っていない人間の感想ですが、高校生達の群像劇という点でダークサイドの「桐島、部活辞めるってよ」みたいな印象を受けた。
登場人物が多かれ少なかれ皆闇を抱えていて、彼らと関わりつつ最後まで何の影響も受けないハルナが印象的だった。
(ハルナが誰の影響も受けない「関係ない人」だから山田も吉川も観音崎もハルナが好きだったんだろう)
ハルナ除く登場人物は皆何かに満たされず、その状況を受け入れられず破滅へ向かってしまう。
彼らに対してもっと感情移入出来る描き方をすれば一気に湿っぽい話になりそうだが、一貫して一歩引いた目線で描かれている。
なので彼らは客観的に観たら「そんな理由で?」という課程であっさり破滅してしまう。悲惨な話なのに目茶苦茶カラッとしている。
(山田と吉川に関しては予め普通で無い人に生まれてしまったという諦念が感じられたし、多分その「特別」こそカンナが最も欲したものだったのだろう)
ラストで分かりやすく救いや希望がある訳では無いけど、最後山田にとってハルナは生きていく拠り所になったのでは無いかな。
吉沢亮とSUMIRE、今作で初めてちゃんと観たけど鋭い目をしていて、何もかも見透かされそうだと感じた。目茶苦茶美しいしスクリーン映えする。
特に今作では人になつかない黒猫の兄妹の様だった。
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