「こんなんなら、映画化してほしくなかった。」ラプラスの魔女 しゅんいちさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなんなら、映画化してほしくなかった。
GW真っ只中の初日という事もあってなのか、凄くお客さん多いのですけど、ぱっと見の印象としては、10~20代の若者が多かったように感じましたので、全体的にいつまでもペラペラと館内でおしゃべりが続いてました。
でも、本編が始まると静かになったので
「レディプレイヤー1」や「アベンジャーズ」の時の周囲の外国人の本編始まってもいつまでもしゃべり続けてるのよりはマシだったかな?
まぁ、外国人の時はスマホで動画撮影してるっぽかった(確信がないので、何も言えなかったけど…明らかにスマホの画面が光ってた)
さて、ラプラスの魔女ですが
役者さんは、みんな凄く良かったです!!
むしろ、個人的には贅沢な配役だなぁと思いました♪
この地球学者さんのシリーズが、ガリレオみたいにシリーズ化してもいいかも!とか思いました♪
原作は、ハードカバー発売の時に
確か記念的な作品ってことでワクワクしながら読んで、物理大好きな東野さんらしい秀作だという記憶はありましたので、三池監督がどのように料理したのかと期待して観に行ったのですけど💦
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ここからネタバレ。
正直、残念すぎの映画でした。
期待値が高過ぎたんでしょうね。
まず、
オープニングの竜巻シーン
全然、怖くないので感情移入出来ない。
「ツイスター」っていう竜巻の映画があるんですけど…それくらいの規模の恐怖感でやってほしかった。
(むしろ、このレベルの竜巻シーンなら、別に人がやらなくて人形劇でもよかったんじゃない?)
なんていうか…
茶番竜巻シーンでした。
あれは、小説の中の描写が秀逸だったので
竜巻シーンの緊迫感は、原作の方が心臓バクバクだっただけに…残念。
で、
硫化水素で亡くなった部分の描写がないので、なんていうか…殺人事件が起きたという緊迫感や緊張感がまるでない。
これまた、茶番。
「殺人事件ごっこ」にしか見えなくて残念😭
なんで、この場所で硫化水素で亡くなったのか?の意味が一般的にわからないので
周囲の人は原作を読んでないと
「硫化水素ってなに?」って感じでポカーンなのに、温泉宿のシーンも温泉入浴シーンも出ないので「温泉街での温泉の成分である硫化水素が死因の事件」とわからないので…
雪山で何故か死んでる。
しかも、誰だかよくわからない人。
さらに、ほぼ最後まで「で、誰が死んだの?」って状態。
原作では、どえらい年下の奥さんが旦那さんと散歩をするシーンがあるので、「ひととなり」がわかるんだけど…
さらに、奥さんが旦那を殺して保険金でがっぽり!!な心情なども原作では描写があるのに、その辺りがすっぽり抜けてるので、いまいち動機に説得力もないし
その奥さんと、キーマンのケント君との接触シーンや、殺しを請け負うシーン。
ケント君は、〇〇さんを殺したいから協力しあってお互いに殺したい人を殺すために協力しましょう!といったシーンもないので、全てケント君がやったみたいな状況に…
だからこそ
最後のシーンで、整合性が取れず。
ケント君のお父さん、水城ちさとを、ボコボコに撲殺するんじゃないか?!ってくらいに杖でボコボコするシーンがあって
そのあと、廃虚に連れていく
その廃虚で、腹を足でグリグリ…
水城ちさとは、瀕死なのに
ダウンバーストのあと、何故か少し元気になってて、ケント君が水城ちさとに
「あなたを利用してしまってすいませんでした。」って言って
水城は「いいえ、利用してたのは私の方」という返しをして会話をするんですけど…
いろいろ省いてるから、全然会話に整合性がなくて😭
残念な気分。
1. ラプラスの魔女たる由縁の「脳手術」についての説明不足。
2. リリーさんの説明のみなので、催眠効果抜群のシーンになってるから、肝心の国家プロジェクトの重要性が説得力ない。
3. 殺人の動機も、被害者がどうやってそこで殺害されたのかもわからずに
「そこに連れていかれたから殺された」という取って付けた感じになってるので、
「え?なんで死んだの?」 って疑問がずっとついてまわる。
久しぶりに、劇場で見て失敗したと感じた映画でした。
もう、三池監督の作品は観にいかない!!
「検察側の罪人」に期待します!!