「何度思い返しても納得出来ない」交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1 SPQRSATOさんの映画レビュー(感想・評価)
何度思い返しても納得出来ない
私は交響詩篇エウレカセブンが大好きでした。
それだけに今回の出来には非常に落胆し映画館では早く帰りてえとすら思ってしまいました。
この映画は新作映像で描かれた10年前の出来事と、レントンとチャールズ&レイの話の2つの部分に分けられます。エウレカはほぼ出ませんしゲッコーステイトもアネモネもドミニクもアクセルサーストンももちろん出てきません。
まず前半の10年前の出来事についての評価ですが映像が良いだけで面白いとはあまり思えません。まず戦闘シーンから始まり設定も状況の説明も無くひたすらドンパチしてます。また字幕で部隊の名称や撃沈の報告をしてますが漢字ばかりの名称を並び立て1秒ほどで消えてしまうため読めません。それが作品通して50回くらい出てきます。同時にキャラクターも喋ります。どちらも理解しようとしてどちらも理解出来ずに時間が過ぎます。まあ、良いところとしてはアドロックがレントンを思うシーン、デューイとホランドとアドロックの関係を思わせるシーンなどキャラ同士のかけあいですね。あと映像はちゃんと映画クオリティでした。この前半部分は評価高いようですが多分それは後半と比べたらという程度です。そこまで凄いものではありません。普通です。
そして問題の後半。結論から言うとこの後半が酷評の嵐の原因です。まず映像はテレビ版の使い回しです。テレビ版のチャールズレイのとこをそのまんま。さらに悪いのが台詞を変えて映像はそのままというところです。まあ初めて見た人やあまり覚えてない人には良いかもしれませんが3日前にテレビ版を復習した私にとっては違和感しかありません。そもそもテレビ版のストーリーのために作った映像を他の設定、脚本に無理矢理使うなんて無理ありませんか?そのまんま使い回すならまだ良いんですが台詞だけ変えられるとあ、その映像だとそういう台詞も言ってるようにできるのねみたいな余計なこと考えてしまってストーリーに集中できません。これは復習してなくても違和感あるんじゃないかなあ。そもそも今回の設定、脚本のために作られた映像じゃないんだから。
そして、全体を通してなんですが、既に述べたように設定の変更があります。それもそこそこ大きいものがたくさんです。ここまで設定に変更があるとは思ってなかったので前半の10年前の話の時は私はテレビ版の設定で解釈してました。テレビ版の設定に基づいてストーリーを解釈していたのです。つまりこの出来事の先にはテレビ版がありテレビ版の過去こそこのはなしなのだと。しかしもうお分りいただけると思いますが微妙にちがうんです。この「微妙に」というのが中途半端でよくないです。後半のチャールズの話になって私は気付いたわけなんですが、その時は映像がテレビ版と同じなわけです。無意識にでもテレビ版の設定で解釈しようとしますよね?頑張ってテレビ版の設定を一旦忘れようとしましたが「微妙に」違う、つまりある程度は同じなせいでほぼ不可能でした。だからこれから見る人は復習しないで行った方が良いかもですね。まあ、そうした場合他の人も言ってるように時系列めちゃくちゃで理解し難いかもしれませんが苦笑
冒頭でも言ったとおり私は交響詩篇エウレカセブンが大好きです。だからできればそれを超えるものが見たかった…。エボリューション(進化)を期待してた。チャールズもレイも好きだしアクセルサーストンも好きでした。だからこそ丁寧にキャラクターを作って欲しかったんです。
制作会社のbonesも尊敬してます。エウレカセブン、スペースダンディー、血界戦線、ヒロアカすべてクオリティの高い骨のあるアニメです。ただ今回のは失望しました。次回で挽回することを期待します。
ちゃんとテレビ版からハイエボリューションしてください。今のままだとテレビ版から良い所だけを削ぎ落とした総集編でしかありませんよ。何かテレビ版よりも良い所を作って見せて下さいね。
エンディングは最高。エンドレス再生不可避。