勝手にふるえてろのレビュー・感想・評価
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面白かったけど
シネマイクスピアリさんのキネマイクスピアリにて鑑賞。
面白いんです。それから、見せ方なんかも上手いなって思いました。
だから、楽しめたんですけど、なんかわかる様なわからない様な消化不良な感じがしたんです。
なので、序盤から鑑賞後までモヤモヤした気持ち悪さみたいなのが付きまとってくるんです。
例えば、名前を知らない人の特徴をよく観察しているヨシカが、イチに名前を覚えられていない事なんかも、この映画のテーマの一つにもなっている気がするのですが、上手く解釈できなくて。
そういった数々のモヤモヤを、映画全般から感じちゃいました。
多分、私の人生経験値や映画鑑賞スキルがもう少し高ければ、もっと楽しめたんだと思います。
それでも、面白い映画だとは思いましたよ。
キュン
期待してた以上におもしろかったです。ヨシカのこじらせ具合が最高すぎて現実と夢の境がわからないぐらいだったけどラストとってもよかった。ちょっとうざ暑苦しかった二がアパートに呼び出されてからのシーンめっちゃめっちゃめっちゃかっこよくてキュンキュンしました。ヨシカちゃん世界一しあわせな女じゃないかよとうらやましいほどに。松岡茉優のおでこの産毛がかわいすぎてそこらへんもうらやましかったですけど。みなさまたいへん好演でした。
驚き
こんな自分にそっくりな人間がいるのかと驚いた。
と同時に、あ、やはりモテ女か、
あれ?
違ったやはり妄想女だった。
いや、やっぱり度胸の座った女、
いや違う、やっぱり被害妄想女か。
いやまて、やはりモテ女か。
……うん。モテ女だった。
ていう感じでなんだか素晴らしい展開と、なんと歌まで歌い出すやないかー!と突っ込んでしまったり、
ニに、かなりキュンとさせられてしまって
悔しかったり、
2人が玄関先で痴話喧嘩してることが、愛らしく思えてきたり、ちくしょー羨ましいぜ!って思ったり、、
感情の変化が物凄かった。
家でまったり観ているつもりが前のめりでトイレも行かず見入ってしまいました。
いい映画に出会えてよかったー
うん、でも結局みんな幸せになるんだもんね、
私の人生は未だにエンディングは迎えられないまま
このままだとバットエンドだぞ。
才能
お芝居の振り幅を感じた作品。
後半からお芝居が一転する中、見事にわかりやすく演じた。このわかりやすく演じるという意味においてはかなり秀でてるのではないだろうか。
表情の引き出しが豊富で、何より的確であるのが印象的だった。
解らないから愛おしい
劇中、「ヨシカは解らない事だらけなんだよ、だから好き。」というニのセリフがあります。
私自身もこの作品に同じ感情が湧きました。
初見では解らない事が沢山あって、理解したさに何度も観てしまう。
その位、魅力的な作品なんです。
ニは何故、ヨシカが胸に赤い付箋を付けていた事で気になりだしたのか。
処女の事をチェリーと言うのは、処女膜が破れた時の血をさくらんぼの赤色に例えての事。
つまり、赤色は処女色。
ゆえに、この劇中の赤い付箋は処女性の象徴。そしてニにとっては処女性=ピュア。
出会いの時点では、ニはヨシカの事を何も知らない訳だけど、本能的にヨシカの処女性=ピュアさを感じとって好きになったんだと思います。
ラスト前、ニを押し倒した拍子にヨシカの胸からニの胸に付箋が落ちました。
処女性の象徴だった赤の付箋が、ニの濡れたシャツによって深い赤に染まっていく。
そのさまに、どんどん侵食してくるニと、それを受け入れるヨシカとの関係性が重なります。
そして、それと同時に響く卓球音。卓球は相手の動きを見ないとラリーを続けられません。
相手が取れないタイミングや場所に球を打てば、その瞬間に終わってしまう。
そこに人とのコミュニケーションを重ねて、自己完結型だったヨシカが初めて他者と向き合った事を表現してるんですね。
物語中盤での二人の卓球シーンでは、ニの強すぎる球(愛情)をヨシカは打ち返せずラリーが終わってしまう。
でも、ラストシーンの卓球音は打ち合いがずっと続いていました。
その音が二人がやっと意思疎通を取れた事、これからずっと関係が続いていく未来を予感させてくれます。
そして、ラストのヨシカのセリフ「勝手に震えてろ」
現実の人間と向き合うのが怖くて、妄想の世界で震えていた自分自身への言葉ですね。
同時に脳内彼氏のイチと決別して、現実の霧島(ニ)に飛び込む自分への叱咤激励かな。
脚本、カメラワーク、俳優さんの演技、すべて完璧な傑作だと思います。
ふるえるほどの恋をしろ
OLのヨシカ。
10月生まれ。
B型。
雪国育ち。
一人っ子。
…と、ここまでは一見普通の女子なのだが、
趣味は、絶滅動物。そんなサイトを見てると、気付けば朝に。
特に、アンモナイトが好き。アンモナイトの化石を買っては、毎日愛でる。
会社や周りの人に勝手にヘンなあだ名を付けて楽しんでいる。
筋金入りの変わり者、ひねくれ者。
さらに、
本人から言わせれば、友達ナシ。
恋愛経験もナシ。つまり、彼氏ナシ。
所謂“こじらせ女子”。
でも、恋はした事がある。と言うか、今もしている。
中学時代のイケメン同級生“イチ”に、10年間ずっと片想いしたまま。…あ、勿論、中学時代親しかった訳ではなく(ほとんど他人)、卒業以来会った事も無い。
いちいち言わなくてもいい事だけど、イタイ女。
それでも、自分の恋路に満足している。と言うか、妄想恋の自己陶酔。
そんなある日、平凡な会社の同僚“ニ”に告白される。
まさか突然やって来た、リアル恋!
でも、私には王子様が…。
一人妄想の恋か、現実の恋か。
ヨシカの恋は当然、一筋縄ではいかない…!
綿矢りさの同名小説を、女流監督・大九明子が映画化。
女性だから描けるイタイタしい乙女心。
問題は、主演。
こんなにクセがありまくりの異色ヒロインを演じられる若手が居るのだろうか…?
居た。
松岡茉優という天才が。
とにかく本作、松岡茉優という才能にふるえる。
笑って、怒って、泣いて、喜怒哀楽発散。ミュージカル風に歌まで披露。
喋って喋って、毒づいて、テンションもハイ&ロー。
キュートに、時々イラッと。
コメディエンヌとして魅せると同時に、若手でも屈指の実力派としての高い演技力に圧倒される。
松岡茉優をしっかりと認識したのは、『ちはやふる 下の句』でのクィーンだった。
それ以来気になって、他に何出てるか調べてみたら、『桐島、部活やめるってよ』でのムカつく女子だった事に驚いた。非常に印象残ってて、あれが松岡だったのか…!
今年は再びクィーンに扮し、『万引き家族』では新たな一面を見せ、そこへ来てこの(見る順番は逆になってしまったが)堂々初主演。
松岡茉優、万歳!
さてさて、
告白されて、さすがに舞い上がるヨシカ。
一応ニとデートしたりしてみるが、冷たくあしらう。
タイプじゃないし、ウザい。とあるシーンで、あそこまで追いてきて、ストーカーかよ!
そんなある日のある事をきっかけに、イチともう一度会う為、かなり強引なやり方で同窓会を計画する…。
同窓会にイチが現れた。
案の定、不器用。やはり声をかけられない。
その後、ある二人だけの場が出来、思い切って話し掛けてみると…
趣味が合った。あの趣味が。
中学の時に話し掛けていれば、ひょっとして…。
が、まさかの落とし穴。
ヨシカにとってイチは“視野見”(←相手を直視せず、視野の端で見るヨシカの造語)の存在。
イチにとってもヨシカは“君”だった。
だけど、ウザいアイツは違う。
常に私を直視してくれるし、私も直視出来る。
そして、名前で呼んでくれる。
ウザかったのに、いつしかニの存在に救われる。
やっぱり、妄想の恋より、現実の恋。
幸せ~♪
普通だったら、これでハッピーエンド。
でも、この異色ヒロインの恋路がすんなり行く訳がない。
勘違い、被害者意識甚だしい暴走、迷走。
もはや狂気にすら取り憑かれて、イタイ女を通り越して、とことんダメ女。
でも、孤独や侘しさ、寂しさを感じたね。
恋をする、誰かを好きになるって、時にこんなに辛いのか。
突然ミュージカル風になってヨシカが歌い出す際の幾つかの歌詞に、ちょっと自分を重ねてしまったりした。
(このシーンの時、ヨシカが今まで気軽に話し掛けていた町の人々が、実は…まあ、予想はしていたけど)
ヨシカはこのまま絶滅動物に…?
絶滅動物が絶滅したのは、自然の不条理もあるが、守ってくれる存在が居なかったからでもある。
でも、ヨシカは違う。
こんなダメダメな私でも、心配してくれる人が居る。向き合ってくれる人が居る。
そんな相手に、洗いざらい本音やキツイ事までぶちまけてしまう。
それって言い換えてみれば、そこまで心の内をさらけ出せるっていう事。
本心から向き合って、好きになって、相手もふるえている。
私もふるえている。
ふるえるほどの恋をしろ。
演技うまい
やはり松岡茉優さんは若いのに演技力があります。
本当にこうゆう人なのかと思うくらいのリアルな演技でした。
凄まじいくらいに情緒不安定で、妄想グセのすごい女性役を演じてましたがこごでハマる人はなかなかいないと思います。
1には名前を覚えてもらえてませんでしたが
結局最後は2と結ばれましたね。
勝手に震えてろって言った後キスした時は、鳥肌が立ちました。
完全に2はいいやつですね。真剣に向き合ってて。
そして1はイジメられていたんですね。
人気者と思ってたのに。
自分とはかけ離れた性格の主人公でしたが、こんな性格の人も世の中にはいるわけで、色々あるんだなぁの気持ちで見てた映画でした。
最後のエンドロールで片桐はいりさんがキスシーンをしていたのは、度肝抜かれました。
黒猫チェルシーの方の演技もなんだかんだ好きでした。
面白い面白くないと言う感情はあまり生まれる作品ではなかったですが、まだ見てよかったと思いました。
松岡茉優が最高によかった。
脚本も、とてもデザインされた作品だった。なにより設定が素晴らしい。
妄想女子だとは分かっていたし、誇張して誰かと話しているのかと思ったけど、まさかこれまで見ていたシーンまでも妄想だったなんて。上手くミスリードできている。
ミュージカルシーンで、これまでのシーンは、彼女の妄想だと分かる。
細かいドラマ(窮地)が散りばめられていて、飽きない展開だった。
二が付いてくるところとか、ホントにウザくて良かった。細かいワクワクがしっかり作りこまれているので飽きない。
裏切られた感を出すうえで、親友との描写がしっかりしていたのが素晴らしい。
この振りのお陰で、裏切りがしっかりしてたいし共感が持てた。
二のやってきたことを真似て、飲み会をするところがいい。活躍がしっかり活きている。
ひとつ残念に思ったのは、実際の時間よりも長く感じたこと。別に退屈なだったわけじゃなく、恐らくこれは純粋にテンポの悪さだと思う。
透明感と演技力、、、
※あくまで主観的な感想
ただ面白いだけじゃなくて人間の痛々しいところとか外部との繋がりとか理想と現実が隠されず、恥ずかしいくらい写し出された作品だったと個人的に思う。
主演の松岡茉優ちゃんの透明感が素晴らしくてキラキラしているのに、さらに演技力でも魅せてくれるという、、、。素晴らしい女優さんという印象を受けた。
また主人公が生々しいほど人間味が溢れたキャラクターであると個人的に感じた。頭の中で想像を働かせることも大切だけれども、現実とぶつかって生身の人間と対峙して生きていくことにより前に進めるような気持ちになった。
とてもよかった
背景のような存在の女の子が本当は特別に思われていたいという自尊心があって、でもやっぱり背景にすぎず、その受け入れがたい現実を受け入れる表現がふざけたミュージカルになっていてとても面白かった。その後、好いてくれている彼とつきあって終わるかと思ったら、そこから更に大きく展開してひどいことになっていくので驚いた。人には言っていい言葉とそうでない言葉があることがよくわかった。あんなふうに一生懸命好いてくれる人がいるなんて素晴らしいではないか。彼女の場合は、誰に対しても全然優しくしておらず自分本位で、うざいことをしないだけで、欲しがるばかりだ。もっと死ぬほど人々に嫌われて痛い目にあった方がいいような気もして、都合が良すぎる感じがしたがハッピーエンドでよかった。
地味に面白い
可愛さに陰りが出始める年頃の事務員、まだまだ青いけど大人になるためのジタバタが楽しく綴られてます。なんとなく泥くさい演出が良かった。
「川の底からこんにちは」のおばさん女優やオカリナさんその他、脇がしっかりしていて映画的仕掛けにキチッと嵌るようになっているのに感心。
ロケ地も華やかではない東京を選んでいて、地方出身者の居心地の悪さがよく出ていた。
ボディーブローを食らわされた
凄い。ひどい。ひどいよ。何てものを作ってくれたんだよ。
観た後しばらく呆然とした。帰り道、今すぐ私から正気を奪ってくれという気持ちになった。今すぐ私を抱き締めてくれ。助けてくれ。
松岡茉優主演のこじらせ女子のラブコメを期待した人達からしたら「なんじゃこりゃ」な話であろう。ラブコメではない。ヨシカ本人は大真面目だけど周囲から見たら滑稽極まりない話ではあるけれどラブコメではない。
私が好きなイチを選ぶか、私を好きな二を選ぶかとかそういう話じゃない。
自己愛を貫くか、他者を選んで世界と関わる方を選ぶかという話。
中盤まではそんなにつらくなかった。
ヨシカ視点とは言え個人的にイチ自体がそこまでのめり込む程魅力的に感じなかったのもある。イチはただただヨシカの「名前を知らなかった」だけだし、(いやヨシカからしたらそれまで愛していた自分の世界が崩れる一大事なんだけども)むしろ現在のイチとの会話シーンがヨシカにとって都合が良すぎて、どこまでがヨシカの妄想なんだ??と思いながら観ていた。
触れない愛(ヨシカの空想上の王子様のイチ)より触れる距離の好き(二)を選んでハッピーエンドです、で終わる話なんだと思っていた。途中までは。
後半から怒涛の展開である。
二を選んだ直後、己の絶対に守りたかった秘密が暴露され、ヨシカの精神は崩壊する。
自分を心配してくれる同僚の友人や二に対し
「お前らは私を見下してたんだろ!!」
「処女だから好きとか可愛いとか思ったんだろ!!!」
と暴走したあげくの偽造妊娠、偽造育休、すごい。見てらんねえ。こんなに見てらんねえヒロイン居ないよ。この役をやりきった松岡茉優はすげえよ。
友人の電話も出ず二にも愛想を尽かされ、もうこれ何処に着地するんだよ。自分に都合のいい王子様のイチが居る妄想の世界へ完全に旅立ってしまうしかないんじゃないのかと思った。
ラスト、ヨシカは初めて他者である二に対して感情をぶつけます。
このシーンが一番好きです。
今まで妄想の中でしか他人と関わらなかったヨシカが初めて他者と言い合いになる。
二はすごいよ。目茶苦茶しぶとい男だよ。そしてヨシカは初めて二の名前を呼びます。
「キリシマくん」。
最初観た時は「二は悪い奴じゃないんだろうけど付き合いたくはねえな」と思うが最後まで観ると「二と付き合いてえ」としか思えなくなる。
ヨシカの中のイチは絶滅したけれど二は絶滅しない。
感情を整理したいのでもう一回観ます。
ヨシカの傲慢で、でも精一杯生きてる感じ、とっても可愛く描かれていて...
ヨシカの傲慢で、でも精一杯生きてる感じ、とっても可愛く描かれていて、大好きな作品になりました。
脇役の方たちがまた素敵で、お隣さんのオカリナさんだけしっかり現実的に繋がっていたのも、この映画の優しくて幸せにさせる大事なポイントだなと思う。
イチに名前を覚えられていなくて、あーー、、ってなってから歌い出すシーン、とても印象的で見所だし、この映画すべて全編通して無駄がないと感じました。
とにかく、二が笑える。いるよね、こんな人!って感じが詰まってる。素晴らしい演技でした。黒猫チェルシー好きになる。
ファーックっていう?
[ファック]
知ってるけど、
とっさに
あんまり言わない。
でてこない。
にやつく場面は多いけど
ときには、
シリアスな切口にドキドキする。
妄想なのか現実なのか
どっちかわからないシーンの
描写は、
人との距離感に悩み少し
病んでしまう都会暮らしの
あるあるかな。
いくら憧れでも、
存在を否定されたような
言葉はさめます。
名前は大事。
だって
自分が必要とされてると感じた時に
一番うれしいのに。
多かれ少なかれ、
恋愛が始まるときは、
後から考えると、
心の隙間にはまった時。
胸の赤いポストイットは
よかったな。
ヨシカへ。過去の自分へ。
平日の日中なのに、かなりの客入り。
なるほど評判になるのも納得の面白さだった。
そして、「松岡茉優という女優を最大限に活かすにはどんなキャラクターでどんなストーリーにしたらいいんだろう」という着想から作られた映画なんじゃないの?と思うほど、松岡茉優の魅力が溢れ出していた。
隣人に「後光が差してる」と言われたあとの彼女のリアクションの可愛いこと!
映画と彼女、互いにとってとても幸せなキャスティングだと思う。
…が、映画を観終えて数時間、私に残った感情は「怒り」だった。
私はヨシカが嫌いだ。
中高時代、丸一日学校にいて、誰とも一言も話さずに帰る日なんてザラだった。
まさに私は「透明」だった。
どうして私だけがこんな目に、と思ったし、クラスメイトを憎んでもいた。
それから20年。
その間にどれだけ恥と手汗をかいたことか。
初対面の人とのコミュニケーション。知り合いのいない飲み会。寄る辺ない立食パーティー。
みじめな目に遭っても、傷ついても、なんとか人並みの会話ができるようにトライした。
今でも私の内面にはコミュ障気質が残ってるけど、それでも傍から見れば人並みに見えるんじゃないかと思う。
そして、この年月の中で気がついた。
中高時代に壁を作っていたのは、クラスメイトじゃなくて私だった。
「どうせ私なんて」
「どうせ分かってもらえない」
「あの人たちはどうせ」
そうやって伝えることを諦めたら、周りの人に私がどんな人間か、何を考えているかなんて分かるわけがない。
「透明」になるのは当たり前だ。
そのくせ、本当はさびしくて、「誰も分かってくれない」とコミュニケーション不全を周囲のせいにして、被害者モードになる。
と同時に「どうせ私はコミュ障だから」と、より自分の中に閉じこもる。
…ああイライラする。
ヨシカは強引に、暴力的に、私に20年前の私を思い出させる。
(悲壮感たっぷりの「絶滅すべきですか?」も、私には「『そんなことないよ』待ち」に思えた)
明らかに「嫌な女」として描写されていた、イチに「連れてってよ〜」とか言う同級生の女、彼女だってもしかしたらイチのことがずっと好きだったかもしれない。
同窓会を知って、久しぶりにイチに会えると思って眠れないほどドキドキしてたかもしれない。
どんなメイクにしよう、どんな服にしようと悩みまくったかもしれない。
みんな同じなんだよ。
みんな傷ついて、それでも土俵に上がって戦ってるんだよ。
「あの人たち」と「自分」を隔ててるのは、ただ自分の心なんだよ。
彼女は自分の不幸には敏感だけど、幸福には鈍感だ。
まず、化粧っ気がなくて可愛い(←これ最強のやつ)。
そしてオシャレ。
だから10年前の恋に逃げ込んだままで何のアクションも起こさずに、社内の男に惚れられたりする。
さらに職場には気の置けない友人・くるみがいる。
人間関係に悩みを持つ人にとって、くるみの存在は本当に羨ましいだろう。
冗談の趣味が合って、何でも笑って話せる友人。
でもヨシカは「私には友達なんていない」と不幸がる。
これが友人にとってどれだけ悲しいことか、彼女は気づかない。
でも。
ラストシーンで二とキスする直前にヨシカが言った「勝手にふるえてろ」は、今までの自分に対しての言葉だったのかな。
自分の思いを伝えずに心の中で自己完結して、そのくせ外からのアクションを待ってばかりいた、今までの自分を突き放す言葉だったのかな。
もしそうだったら、「これから大変だけど、まあがんばれよ」と伝えたい。
ところで、二も後半はやたらかっこいい事言うようになるけど、出会ってから付き合うまでは途方もなく身勝手にしか見えなかった(前半はむしろこっちにイライラした)。
彼女の気持ちやパーソナリティを完全に無視し、「地味で可愛くていいお嫁さんになりそう」という自分の思い込みだけで突っ走り、女を振り回す男。
この先付き合って結婚したとして、二は「こんな女だと思わなかった」と何度も何度も思うだろう。
それは彼が「彼女はどんな人間なのか」を本気で知る努力をしなかったからだ。
……だからまあ、お似合いじゃないですかね!どっちもがんばれー(なげやり)
しっかし、他人との軋轢が生まれた時にきちんと話をせず、一方的にシャッターを下ろして関係を断ち切ったり、ありもしない嘘をついて周りを混乱させるようなメンヘラちゃん、私は恋愛相手としては一番の“地雷”だと思うんだけど、男性はヨシカを「可愛い」と思うのかなー。
…と、こんなに色々言いたくなってしまうのも、この映画にそれだけ惹き込まれたからで。
くるくると変わる松岡茉優の表情に笑ったり泣いたりしているうちに、自分の内面にあるいろんな感情を揺さぶられる、映し鏡のような映画なのかもしれない。
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