劇場公開日 2017年12月23日

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「最高、大好きすぎる映画に出会った」勝手にふるえてろ ジョーカーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0最高、大好きすぎる映画に出会った

2018年1月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

人生の救いになる、とてつもなく素晴らしい作品に出会えた…よかった…!

主人公のOLヨシカ(松岡茉優)は中学生からイチ(北村匠海)に一途に片思いをしている。しかもヨシカは学生時代イチのことを視野の端でぼんやり見る“視野見”で見ていた変わり者。そんなヨシカの前に会社の同期、二が現れ、告られる。ヨシカは脳内の彼氏か、現実の彼氏か、どちらをとるのか…!
という王道ラブコメみたいな感じだが、ただのラブコメでは終わらない。というより、便宜上のラブコメであり、全ての人の脳内を映しだしている。全ての人が味わう様々な事柄や誰しもが想像する「こうだったらいいな〜」をヨシカが代わりに行ってくれる。それだけでも爽快なムービーとして成立する。でも、ネタバレになるので詳しくは書けないが、現実は希望と絶望で満ちているということを訴えかけてきてくれている。精神的にどん底に落ちても希望はある。そんなことを表現するだけでなく観客にゴリ押ししてくる嬉しさ!

その点、観客の様々な感情を振り回しまくるような演出も気づかないくらいうまい。登場人物、特に二とヨシカに感情移入しすぎてきつかった。ストーリー自体かなりテンポよく進んで行くため飽きるどころかジェットコースターに乗っているような感覚で楽しかった。
それは、もちろん演出もあるが、松岡茉優の演技力というか松岡茉優ワールドの力量のおかげでもあろう。このヨシカという役は彼女にしかなし得ない、ここまでの映画はできないというほど。それを支える俳優陣もすごかった。
所々で出てくる釣りをしているおじさん、コンビニ店員、隣人のオカリナ吹き、バスでいつも隣になるおばさんとの会話もかなり良い(途中で明らかになることもまたとてつもなく良い)

ありがたいことに大ヒット御礼の、松岡茉優さんや渡辺大知さん、監督もいらっしゃる舞台挨拶付きで鑑賞できた。松岡茉優が、「現実では叫べないのも映画なので全部ヨシカが叫んでくれます。辛くなった時に見てもらえると元気になれると思います」のようなことを言っていたが、まさにその通りだった。

邦画嫌いな人にこそ見てほしい、いや、全人類に見てほしい作品!
あまり期待していなかった分、とにかく気に入ってしまいました。

こうき