「この人の名前を知らない・・・」勝手にふるえてろ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
この人の名前を知らない・・・
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原作未読。主役も含めて芸達者な役者陣が脇を固めており、作品のイメージも多分小説に近いイメージでの演出だったのだろうと想像する。勿論、ラストシーンも原作を再現しているのか不明だが、自分としてはこれはこれでカタルシスは得られていて落ち着きどころだろうとは感じる。
現実はここまでの重症的な行動は行えないだろうが、被害妄想の度合いの激しい人は存在していて、それをアンモナイトに投影しての主人公の心の機微を映画的に作り上げている点は素晴らしいと思う。好きな男が結局自分の名前さえ憶えていない否、元から知られていなかったという衝撃は想像に難くない。いわゆるコミ障の典型なのだが、自分ははなから諦めているし、そういう意味ではこの主人公はそれでも自分の可能性を信じている分だけ救われているのではないだろうか。切ない思いを上手く表現出来ないというもどかしさを充分堪能できた。
文学作品としてしての評価も高いと感じる良作である。2017年ラストを飾るには相応しい内容であった。
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