「最小公約数」勝手にふるえてろ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
最小公約数
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なんとまあ、しんどい作品だったであろうか。
主人公の良香が、これでもかってぐらいこじらせまくってる。ガラスで仕切られた防音室で生きてるみたいだったし、こんな面倒な社会を自発的に構築している自己防衛システムにウンザリもする。
彼女の全てに共感するわけではないが、その一部には心当たりが誰しもあるんではないだろうか?特に彼女が歌うフレーズの「透明」って言葉には酷く心を抉られる。
良くも悪くも、この現代に生きているからこその感覚であるのかもしれない。
進化し過ぎて絶滅したって仮説も、どことなぁく「今」を揶揄してるようで面白い。
鋭敏になり過ぎてっていうと語弊はあるんだろうけど、結局は自己完結の賜物とも思えてしまう。
日常を過ごす上で、反面教師ではないものの彼女を思い出し、自分を奮い立たせようと思える。
タイトル「勝手にふるえてろ」
最期の台詞だったけど、それは自分に言い放った言葉にも聞こえ、自分に対しても上目線の彼女の感覚に、現代的な歪みも感じこの作品を「松岡茉優」さんがやる事の意義を感じたりもした。
この「良香」を噛み砕き脳内世界から現実に引きずりだした監督と主演女優を絶賛したい。承認欲求なんて言葉が日常的に飛び交う裏側を詳細に記したようでもあり、まあ、しんどい作品だった!
なんつうかこの作品自体が現代社会への問題提起でもあるように思え…社会を指すわけではなく社会に生きる個人に向けられてるようで、なんとも生きにくい世の中だなあと、この「良香」が認知され彼女を小説で書けちゃうぐらい鮮明な輪郭を持ってる事に、不安を隠せない。
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