劇場公開日 2017年12月23日

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「ザッツビューティフルサンデーだよお!」勝手にふるえてろ まつこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ザッツビューティフルサンデーだよお!

2017年12月24日
iPhoneアプリから投稿

おお…映画評論家の中井さんが今年初めのララランドをツイートしてたときと同じ熱量でガン推ししまくってる理由が分かったわ、超絶面白い!!
てかなんなのだ、今年の下半期!
上半期は「2017年は邦画こんなもんかいや」とうなだれていたけれど、下半期は爆発している、当たりが多いし、新感覚の日本映画がめっちゃ多いよ、最高!
どんな内容かというと、高校のときから10年片思いしてる男の子とポッと出て来た自分のことを好きな同じ会社の男で揺れ動く妄想女子のラブコメディ…と聞くと「はいはいはい」と思う人も沢山いるだろう。しかし違う!この映画は違うんだよ、待って、勘違いしないで…
ストーリー展開は、よくある若者の日常と行き過ぎた妄想が入り混じってるだけ…といえばそれまでだけど、テンポがめちゃいいんです、つか妄想の描き方がセンス抜群!素晴らしい!私自身を映画化するとしたら(絶対しないけど)こう撮って欲しいと思う。
妄想の内容って人それぞれだから、自分は楽しんでても話にしてみたり映像や文章にしてみたりすると他人がみて白けてしまう事があると思うけど、この映画はそれを完全に惹きつけられる内容にしてしまってるから凄いよ。
観ててグイグイ惹きこまれるし、かなり冴えているギャグセンスも、映画特有の「笑うシーンだから自分も楽しい気分になりたいし分かってるフリしたいから笑いました」の笑いが飛び出すんじゃなく「あっはっはっ!!!」て思わず声をあげて笑わざるを得ない笑いが随所随所で出る。観客達も最初は遠慮がちにクスクス笑っていたのが、横の人後ろの人前の人が声あげて笑うから、いつもは済ましてる女の子も声出して笑っていたんじゃないかな(想像)。
中井さんが、松岡茉優が無双と言っていたのがめちゃくちゃ納得出来る。このキャラクター、この立ち位置の若手女優もなかなかいないよね。流石親友に伊藤沙莉をもつ女だよ、関係無いけどテレビで松岡茉優の紹介VTRでちょいちょい出てくる、大好きなモー娘。のライブで初めて一緒に踊った茉優ちゃんの映像が私は大好きです。
妄想女子やらせたら右に出る人いないね。ザッツビューティフルサンデーだよお!のセリフをこの映画観た人と言いまくりたい!てかこの映画を5〜10人位で一緒に観たかったな!
あと松岡茉優以外の出演者、ひとりひとり全員良かったよ、でも断トツで松岡茉優ちゃんだねえ。代表作だこりゃ。松岡茉優ちゃん演じるヨシカは、友達になりたいタイプでもあり、私がいまの私のまま男になったら絶対に好きになるタイプ、間違いない。ヨシカという女の子は、昔は見た目も中身もオタクで友達もいなくて、成長して社会人になったいま、見た目は今風で可愛い同僚の友達もいるけど、中身はオタク気質で結構な根暗で闇要素も強め、金夜はタモリ倶楽部見るために飲み会は参加しない方向で変なあだ名を勝手に人につけて過去の思い出にひきづられてて…こういう女を好きになれない人もいるとは思うけど、私は猛烈に好き、で、こういう人が増殖していくのを夢見ている。某何とかハウスに出てるようなパリピとかスクールカーストが上の人達に対して生まれてから今でもひがんでいる私だから、いっその事パリピの定義をヨシカみたいな人間にして欲しいのにとも常に思っている。そんな承認欲求が天までとどけ…いや、新・天までとどけ2ぐらい高いところにいっちゃってる私だから、この映画は救いの映画でもありました。
この映画を観て、ただの笑えるコメディと思った人は普通に幸せな人生をおくってきた人でそれはそれで良いとして…。この映画を観て、面白いんだけどたまに笑えないぐらい共感してしまい自分の過去やエピソードと被り震えてしまう人は前記の人とは違う人生をおくってきた人だと思う。(どの映画作品もそうだけど)感想によってその人の生きてきた人生が少し垣間見える色が強い作品ですね。無論私は後者。
とはいえ完全なる惹きこまれ度200%の衝撃映画、是非是非観てください。

まつこ