「映像表現は数少ないほど解り易くて良い」あさがくるまえに bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
映像表現は数少ないほど解り易くて良い
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「朝が来る前」から幾日か後の「夜明け」までを、欧州的な「華奢」なシナリオで写実美追求的に描いた、美作。
シモンが夜明け前の海で「波乗り」に興じ、水中に没しながら眺める景色が美し過ぎる。銀河に湧き立つガス雲の様でもあり、母の胎内の記憶が眼前に広がって居る様でもあり。
事故の前の映像表現も素晴らしい。目の前の道路が泡立ちはじめます。それは少しづつ容を明確にして行き、最後は海面に変化して行く。
耽美的なダイナミズムって、あり得るんだ。凄い!
シモンは片思いの彼女を驚かせるアイデアを思い付きました。バイクで、あの丘を駆け上がる!ケーブルカー乗り場で、じゃあね、と別れたシモンの姿を頂上の降り場で見つけた時の彼女の可愛さが好き。
ドナー側コーディネーターの青年は、執刀医を制止し、シモンの耳にイヤホンをつけてあげます。流れて来たのは、彼女が選んだ「海の音」。シモンは、還っていきました。
移植を受けたクレアは目を覚まし、その横顔に朝日が差し込み、物語は、そこまでで終わり。
見れて良かった!
心臓移植の、その起点から終点まで淡々と描いただけの映画ですが、ガッツリココロに残りました。
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