「高いレベルでまとまっている」劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)
高いレベルでまとまっている
京都アニメーションが手掛けたTVアニメ「響け! ユーフォニアム」の総集編映画の後編・・ですが、かなり新規カットが追加されていて、新作に近い気分で見る事ができました。
プロットとしては関西大会への進出までを描いた前作(「劇場版 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~」)の方が"部活もの"としては秀逸だったとは思います。本作は主人公の久美子と3年生のあすか先輩に焦点を絞ったため、お話のスケールとしてはやや小じんまりとした印象も。しかしその分「何故自分がユーフォを奏でるのか?」という、キャラクターのよりパーソナルな部分に焦点を当てており、そのドラマはキャスト陣の熱演もあってきちんと描けていたと思います。殊に、久美子を演じた黒沢ともよさんの演技が素晴らしいです。
設定には緩いところもあり、ちょっとリアリティに欠ける部分もありますが、作り手が見せたいのはあくまでキャラクターの心情とその多面性にあると思うので、さほど気にはなりませんでした。「熱いキャラは常に熱く、クールな奴は常にクール」みたいな記号性を排除した、生々しいキャラクター達だからこそ、彼女たちの想いが、その声がこちらの胸にも響くのだと思います。
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