「逆境を乗り越え夢を掴む力」5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生 中野祐治さんの映画レビュー(感想・評価)
逆境を乗り越え夢を掴む力
視覚障害を抱えた青年サリヤ・カハヴァッテがホテル業界で働くという夢を追いかけた人生を描いた作品。
なんとドイツで実在した人物をモデルにしたものとのこと!
カハヴァッテが自らの経歴を隠し大手ホテルで働き始める中で、
多くの試練を呼び込むこととなります
努力と勇気、さらには周囲の支えによって夢の実現へと繋がるのです。
カハヴァッテが「できないこと」を「できること」へ変えていく過程が見ものであり、
生涯を持たない人には想像のつかない、視覚に頼らない独自の方法で仕事をこなします。
大手だからこそ、マニュアルがあり、それを実践すればよいという状況だったことも吉だったのかもしれません。
ベンチャー企業のような新しい会社だとしたら、カハヴァッテはどう動いたらいいかわからなかったのではないか?と思うシーンが数々見られました。
周りから気付かれずにやりのける姿が心打たれるものがあります。
その中でも周りに見方が出来ていき多くの従業員の信頼を勝ち取っていきます。
カハヴァッテの仲間たちとの友情が物語を際立たせています。
特に、彼を助ける同僚や友人たちのサポートは、「チームの力」そのものです。
1人では越えられない壁も、チームとともに取り組むことで乗り越えられる
ということを現わしていました。
カハヴァッテの人生から、
「困難の中でこそ新たなチャンスを見つける力」
を学べるはずです。
最終的には、会社を設立しお店を持ち友人と共に自営の飲食店を立ち上げるところまで話が進みますが、これはカハヴァッテの努力と周りの信頼を勝ち得たことで実現したものではないでしょうか。
心温まるとともに、人としての姿勢を学ばせてもらった作品となりました。