「面白いし良い話なんだけど、スッキリしない」5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生 しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)
面白いし良い話なんだけど、スッキリしない
遅巻きながらこういうご時世なのでプライムビデオで鑑賞。
全体的に網膜剥離という症状をうまく描写していたと思いますし、わたしの仕事は楽器メンテナンス関係ですが、先輩にも超弱視ながらお客様に絶大な信頼を得ている方がいて、その方の仕事の時の物の見方や伝え方、仕事の覚え方などが似ていると思いました。
また、主人公の真面目さや自分への追い詰め方などは痛々しさが伝わってきて、
「〜とはいえハンデ背負いながら人並み以上は辛いよ」
「彼だって人間なんだから無理すればどこかで狂いが出る」
というコチラにも感情移入させる部分があったと思います。
ただ、それを紛わす為に主人公が取る選択は、
せっかく感情移入していた私を突き放してしまう物がありました。
…ちょっといくら何でも薬物はダメじゃない?
あそこは「お酒が増える」「バイト掛け持ち」「ヒロインに嘘を突き通す」と三つ揃っているので、
それだけで充分主人公の心身の痛みが伝わってきたんじゃないかと思います。
(ドイツの中でもベルリンはドラッグに関する法律が緩いそうですので、個人的な意見かもしれませんが…)
この点を除けばそこまで私としては良い作品だったと思います。
他のレビューなどでも気になった人の多い「ホテル経営を学ぶ為に入ったのに友人と店を開いてしまった」という件も、私としては「夢の一歩」であり、また「彼の目標が(大なり小なり)変わったが、それはひとまず達成れた」という解釈をしています。
(ホテル業の重要なサービスであるレストランから、最終的にホテルに業務を拡大していく流れは個人的に「アリ」な気もします。まあ、その描写やセリフがないのは残念かもしれませんが…)
「面白いけどもう一声」という作品です。
なんやかんや楽しめたのでこの評価にしました。