「主人公の人間性が好きになれない」5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生 むーさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公の人間性が好きになれない
視覚障害を抱える主人公が夢であるホテルマンを目指し、障害を隠して一流ホテルに研修生として潜り込み働く話。
主人公が障害を隠し働くためにものすごい努力をしている点は伝わってきたが、仕事以外の人間性の部分があまりにも酷く、最後まで応援する気になれなかった。そんな主人公を周りの人間が認め受け入れたことも疑問ばかりで納得できなかった。
ミスを3つしたらクビというピンチに追い詰められるまでの2つのミスが、障害故のミスを重ねるなら同情できる。だが実際は上司に感情的に言い返した事がひとつ。特にやむを得ない理由も無い寝坊がひとつ。徹夜でラウラを助けたあと寝坊した等の理由があるならまだ同情できるが、ただの寝坊。しかもネクタイが曲がっているのを直せというホテルマンとして至極真っ当な指摘に対し言い返すという最低な行動。いや反省しろ。どう考えても上司が正しい。
しかもとどめのミスは結婚式があるのを忘れすっぽかす。これも特に理由はなくただ忘れただけ。マックスからの連絡を受けて焦って行ったが何故か薬でラリっている。え?なんでラリってるの??と疑問しか無い。焦ってグラスを落とし険悪な雰囲気になった会場で、さらにケーキに派手にぶつかりいよいよ結婚式を台無しにする。列席者も泣き出す。上司が怒って追い出そうとしたら何故か逆ギレ。そのままラリって街に繰り出し、クラブからもつまみ出され、階段から落下し入院。そこで自分は障害に立ち向かおうとしたが無理だった、受け入れてくれる職場を探すよ…と意気消沈。
障害者を積極的に受け入れている職場を紹介されるも、合わないと言って入社しない。
そしてホテルに戻ってくることに。今までのことを謝ると、なぜかチームメイトが擁護してくれる。今まで特に交流シーンが無かったので周りの擁護が疑問に感じる。(カードをしてるシーンはあったが、チームメイトとの交流というより障害を隠して振る舞うシーンと感じた)
結局最後のテーブルセッティングはボロボロだが、ペーパーテストの点数や情熱が認められ受かってみんな喜ぶ。いや無理だろ。社内で完結する仕事ならフォローを受けながらできるだろうが、お客さんに迷惑をかける未来しか見えない。しかも結局ホテルには入らずに、友達のマックスと店を開く。夢はなんだったの??
ご都合主義でも良いけど、主人公に共感でき感情移入できる、応援したくなる人間性が無いと物語は成り立たないと感じた映画だった。
友達のマックスは唯一良いキャラだった。