「悪人登場せず、スッキリ観られる」5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
悪人登場せず、スッキリ観られる
網膜剥離によって視力の95パーセントを失った若者が一流ホテルに勤務する夢を叶えるために奮闘するヒューマンコメディ。
ホテル側には障害を隠しながら、それでも目の見える人間と同等の働きをしてみせる主人公の努力を明るく爽やかなタッチで描いている。
障害を扱う作品だが、『最強のふたり』あたりから増えてきた、作品全体を重々しく扱わない軽快なタッチが特徴。障害についてあからさまに難癖をつけるような嫌な奴も登場せず、登場人物全員がとても良い人である。
主人公はスリランカ人の父と白人の母を持つ移民の子。同僚にはアフガン難民の姿も見え、多様な人種が共存するドイツ社会の一端も垣間見える。
主演のコスティア・ウルマンの爽やかな笑顔が良い。もっと出演作が増えれば日本でも人気になれそう。
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tomさんのコメント
2018年2月21日
この映画の理解にはドイツの職業制度 生活を知らないと面白くないでしょう。障害がばれなぜ彼は修了証明試験を受けたか? これを得ることは大きなこと。マイスター制度が時代とともに変化してしまったいるが 資格を取るということは決定的に賃金に大きな差 仕事するうえで重要。 映画ですから 誇張 創作を感じますが 作品としては ドイツらしく見えます。同じような経験を小生もしている。 ドイツ人は厳しいけど 優しい面ももっていて どう説明したらいいのやら。 彼を助けるドイツの若者、教育教官 この対比もドイツらしい。 よくできた映画だと思います。