「目は愛の物語の第一章」はじまりのボーイミーツガール kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
目は愛の物語の第一章
中学生の頃、同級生の誰かが視力検査表の並び方について「0.2は2.0の逆、0.3は1.5の逆になってる」という法則を発見しました。これなら暗記せずとも大丈夫だ!これでみんな2.0を取れるぞ!などと無意味な計画を実施しようとしていました。当時の俺は0.7くらいでしたが、眼鏡をかけなくても大丈夫だ。などと、喜んだりしたものでした。
うきうき気分で視力を測る。先生が指したのは0.7!
えーっと、わかりません・・・中学生の時の苦い記憶です。
さて、ヴィクトールはいつも0点。先生からは「このままだと整備工にしかなれないぞ」とおどされてもいた。一方、見つめているだけの優等生マリーから声をかけられ、そのうち勉強を教えてもらうヴィクトールだった。
0点ばかりということで、ついのび太君をイメージしてしまいましたが、そうなるとマリーはしずかちゃん。ヴァイオリンではなくてチェロを弾くのですが、腕前は音楽院を受験するほどなので、しずかちゃんとは大違い。親友はジャイアン、恋敵は出木杉君といったところか(性格はスネ夫っぽい)。
もちろん、ストーリーは『ドラえもん』じゃなくて『小さな恋のメロディ』に近い。マリーの両親は網膜色素変性症の彼女を入院させようとしていたのだが、マリーの想いを知ったヴィクトールが学校で彼女の病気を隠そうと必死に努力するところが微笑ましくてしょうがない。幼い少年がすることだから失敗もあるけど、相手を思いやる心が芽生えていく過程がとてもいいのです。友人たちもいいし、マリーの親にかみつく光景もよかった。
友人の両親がイスラム教、ユダヤ教であることも面白いし、ヴィクトールも双子の兄弟とバンドを組んでいて音楽に理解があるところも素敵でした。