「美しさを映画に込めて」エタニティ 永遠の花たちへ あしたさんの映画レビュー(感想・評価)
美しさを映画に込めて
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ファーストショットからすでに完璧に美しい。
まさかこの美しさがずっと続くまいなと思っていたらこれが本当に冗談抜きでずっと続いた。
この美しさの洪水がむしろ暴力的で非常にドラッギーですらあった。
脳が追い付かない感覚に襲われてくる。
物語は、人が生まれ育ち別れ死にそして未来に繋がるという話。
歴史書の中などでは所謂省略されるような話。
しかしそこには家族がいてそこに生と死があり事件があり愛情があったということを美しく切り取っていく。
恐らく上流階級のあまり生活に困らない人たちの営みで、しかもどの人も愛情を離すまいと常にしっかりしている。
ここに深みがないとか夢見物語だとか言えるかもしれない。
しかし、この美しいシーンの数々を観ていると、この映画の中では人の醜さとか現実の暴力性とかを観たくないと思えてくる。
そして、映画とは即ち虚構の物語なわけで、リアルなことは別に絶対的に必要なわけではないと思えてきた。
この美しいシーン、美しい人々の営みを見続けたい、どうか壊すようなことは起こらないでくれ、とハラハラして観ていた。
まるで、自分の家族に何か決定的なトラブルが起こらないでほしいと願うように。
そして、このような美しいシーンしかないような映像作品こそが、実はとてもぶっとんでいてラジカルで虚構で映画的ではないか、と。
もうとんでもない映画体験だった。
崩れた。
赤ちゃんのシーンとか、初夜のシーンとか、その他にもたくさん可愛らしく、いとおしいシーンがあった。
間違いなく傑作!
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