月と雷のレビュー・感想・評価
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主演女優・初音映莉子の魅力を再発見
安藤尋監督は成人映画出身というだけあって、濡れ場が重要な位置を占める作品が多い。ただ、近年の市川由衣主演「海を感じる時」、村川絵梨主演「花芯」は文芸調と官能シーンの相性が中途半端で乗り切れなかった。
だが「月と雷」はいい。初音映莉子のプロフィールを見て思い出したが、「ミツコ感覚」、あの何ともつかみどころのない味わいの映画で主演していた。美人タイプではないが、どこか気になる色気を感じさせる。「月と雷」の泰子も、怒りや不安を秘め孤独をかすかににじませつつ、群れない意志も醸し出す。そして脱いだ姿がまた、筋肉の筋が見えるほどの痩身から哀しみを漂わせているようで切ない。3年ぶりの映画出演のようだが、もっと出演作を見たいと思わせる女優だ。
共演陣では、草刈民代がイメージを覆すアルコール依存症の中年女を好演。けだるい、のろのろとした体の動きを、高い身体能力で見事にコントロールしていた。
なおこさんがよかった。彼女の存在で、この映画の成功は決まっている。...
なおこさんがよかった。彼女の存在で、この映画の成功は決まっている。女優もよかった。とびきりきれいなわけではない。どちらかというとブスなのがむしろ良かった。角田は好きでかなり読んだけど、これは読んでいない。
主演女優がすごく良かった。
高良は、これは高良的だと思うけど、なおこさんと比べると、あまりに薄っぺらいのが気になる。
妹も良かった。
角田の世界には必ず出てくる女たちの連帯。妹にお米の研ぎ方を教えるシーン、良かった。
実母のことも、角田は否定するわけではない。
そして、なおこを追っかけていくシーン。連れて行ってあげればよかったね、昔のあんたをのシーンは胸に響く。
過去のトラウマと向き合う再生の物語。
だからこそ、ラストシーンで、泰子は笑えた。
略奪されたほうの身になりましょう。
婚約中に別の男の子供を妊娠してしまっては、婚約していた男が大迷惑です。かなりのショックでしょう。それを略奪婚側を主人公にしてしまうところが現代文学の迷走であり、文系学部はいらないと言われてしまっても言い返せない弱さにもなりますが、視点によっては科学では解けないでしょう。
やはり男女や家族の基本形はシンプルにあったほうが良いと感じることが、幸福な視点でしょう。
タイトルの意味は本を読まないと分からないのか
茨城県ひたちなか市の山甚道場
勝田
私の風来坊
つわりには三ツ矢サイダー
ツナ缶丸ごと入れたカレー
箸の持ち方
マイク一撃
サトル君は泰子ちゃんとも普通の生活が出来ないと思う
それでもラストの視線の先にさとるくんを見つけた微笑だと思いたい。
タンスを庭で燃やせる田舎
普通の生活をしてきていないのでずれている人たち
騎乗位
体ほっそいなぁ
文学作品
上映館が少なかったのでDVD鑑賞になってしまったが、原作を読んで楽しみにしていたが、映像化するとこんなものかという感じになってした、昔のATG感覚を思い出した。文学作品でエンタメ作品でないので仕方ないがもう少しなんとかならんかなあ、これでは拡大上映は難しかっただろう。この物語のキーとなる直子さんだが、実際にこういう人もいるんだよ。
地味だけど
後半のクライマックスシーンが秀逸。
追い出された男が女の部屋の表で「寝てるかもしれないけど、聞いててくれたら嬉しい」と始まる独白シーン。
「365日お菓子を食べて生活できるような男とは永くは付き合えない」とか良い台詞が詰まってる。
全体的に画が暗いのが気になった。
地味な話だけに太陽光を所々で感じたかった。
変な人たちばかりが大集合...
登場人物が軒並み変人ばかりで、彼らが織り成す家庭崩壊の物語。始めはシュールな話と思っていたのですが、後段あたりから実は喜劇なのだと気付きました。ラストの主人公の微笑みは私には謎で残りましたが... 主人公の初音映莉子さんは体当たりの演技でした。それに草刈民代さんの汚れ役が実に嵌っていました。Shall we dance?のイメージしか無かった私には実に新鮮。それにしても題名が何故「月と雷」なのか最後まで良く分からず仕舞い。雷の部分はちょっと暗示があったようには感じたのですが。やはりそこは原作を読まないと分からないのでしょうか?
俳優がいい。
俳優がそれぞれとても良い。
違う俳優が演じてたら全く印象が違うんじゃないかな。
メインの3人はもちろん、振られる役の人も、石屋さんっぽい人も、妹も、何ならテレビ番組の司会者の人すらも良かった。
普通の家庭の幸せとは何か、分からなくなる
角田光代 原作
高良健吾・初音映莉子・草刈民代
普通じゃない家庭に育った泰子は一人暮らしで結婚寸前。
そこへ昔一時期一緒に暮らしていた智が転がり込んでくる。
智の母は父の愛人で家庭を壊した張本人。
過去の温もりを思い出して、自然と身体を重ねる泰子と智。
自分を捨てた母を探す泰子、男の元を転々とする智の母、泰子の異父妹、俄に賑やかになる泰子の家庭。
程なくして泰子は妊娠する。父親は智。
複雑な家庭でも幸せを模索する泰子と智。
果たして普通の家庭とは何なのか、観るものに問いかけてくる。
高良健吾は映画が似合う。
自然と寄り添い合う人が良さそうな智。屈託なく笑い惑いを見せないが、心の底では孤独になることを恐れている。
感情の出し入れがとても上手い。
じんわりと深みがある。
奇妙な人間関係。
みんな何かが欠けている。普通に見えていそうでも、欠けている。
だらだらと、だらけて生きている。まるで自分の意志がないように。
ただ思うように、いや、惰性に流されるように生きている。
つまり、見ようによっては、だらしない連中が覇気もなく気怠く出てくるだけの映画だった。
だけどなんでだろう、エンドロールが流れている間、なんだかわずかに温かみを覚える涙が流れてきた。直子と泰子の別れのシーンを思い出し、手帳を火にくべるシーンを思い出し、泰子の笑顔のラストを思い出しながら。たぶん、自分も小さいながらも何かが欠けている人生を過ごしているからだろう。
そしてその感情は、「泥の河」の読後と同じ種類のものだと思い出した。
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