「宿無し」月と雷 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
宿無し
クリックして本文を読む
法とか経済とか面倒なしがらみから一切解放されてる自由人たち(もちろん結婚する気も無い)。親が遺してくれた家があるから普通に生活はできているものの、複雑な現代から取り残されたような縄文人みたいな人たちといった印象だった。居心地の良さと優しささえあればいい。そしてまたフラリと居なくなってしまう・・・亡き父の愛人だった直子(草刈民代)は、登場人物の中でも息子や他に関わりを持った人たちに影響を与え続けていた。
男の元を離れ、近所の男の元へと居住を変えていることから、世間体もそれほど気遣ってないような雰囲気だし、完璧な自由人の直子。テレビの対面番組で顔出ししていたことから康子の母親も気にはしてないのだろう。親子の絆もどことなく空虚。しがらみだらけの現代社会において不思議な人たちだった。
初音映莉子の大胆なシーンは見どころのひとつだけど、「昔のようにして」と背中を預けるなんて、「裸でごろごろ」という無邪気さはどんな子ども生活だったんだろうと考えてしまう。物語の全てにおいて浮遊感漂う内容だったし、殺伐としたものがなく平穏そのもの。人生の目標なんてのも当然ない。
泰子にとって実の父親という存在だけはどこか強い絆を感じたけど、そうした想いに気づいたからこそ智(高良健吾)は逃げていったのかもしれない。この後、婚約者である信太郎(黒田大輔)がどう出てくるのか・・・自分の子じゃなくても構わないと言ってたけど・・・
コメントする