劇場公開日 2017年12月9日

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「【寒々しい関東の田舎を舞台にした暴力的なノワールムービー】」ビジランテ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【寒々しい関東の田舎を舞台にした暴力的なノワールムービー】

2019年11月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

 入江悠監督のオリジナル脚本が冴え渡る作品。

<ビジランテ:自警団 もしくは己の力で本当に大切なモノを守り抜く集団>

 三人の幼い兄弟が、必死の形相で夜の河を渡る。追ってくるのは彼らの父親。冒頭から凄い熱量で迫ってくる。

 父、武雄(菅田俊)の表の顔は地元を大きく発展させた立役者。が、家庭では妻を亡くした後、子供たちを虐待する暴虐者。

 父の暴力から逃げ出した長男、一郎。

 30年後、次男の二郎(鈴木浩介)は憎悪していた父の後を継ぐように市議会議員に。三男の三郎(桐谷健太)はデリヘルの店長としてヤクザに雇われる形で過ごしている・・。

 武雄の死により、武雄名義の土地の相続問題が起こり・・・。

 そこに、30年振りに現れた4億円の借金を抱えた一郎(大森南朋)が現れ更に問題は捻じれていく・・・。

 ・二郎の妻を演じる篠田麻里子の強かな策士ぶりに驚き
 ・彼らの実家を舞台にした凄惨な出来事の数々に慄き(何人死んだのか?)
 ・関東の田舎の歪み、排他的世界のリアリティさに怯む

<人間の欲と醜さと、故郷を捨てられない哀しさを関東の田舎の寒々しい風景を背景に、見事に映し出した群像劇>

<2017年12月10日 劇場にて鑑賞>

NOBU