「賛否分れるが個人的にはよかった。」ビジランテ キッスィさんの映画レビュー(感想・評価)
賛否分れるが個人的にはよかった。
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まず、兄弟の名前が覚えやすいので、え?誰だっけ?とはならないのはとても良い。
久々の骨太ないい映画を見た。
タイトルは自警団という意味だが、自警団として保安警備する中国人街、そこの土地を所有する神藤家(相続権は一郎が所有)が権利をめぐって兄弟間の争いに発展する。
父親の死をきっかけに30年振りに地元に戻ってきた、薬物中毒の一郎。
市議会議員になり、会派のトップから父親が所有する土地を再開発のために市に譲るよう圧力をかける。
地元でデリヘル店長をして兄弟の中で一番人情深い三郎。
一郎の薬物中毒なのかアル中なのか、不気味な演技、
二郎は父親の跡を継ぎ市議会議員になったものの、いろいろな狭間で苦しむ演技、
三郎はデリヘル嬢や兄弟に対して慈悲深く、体当たりの演技、
特に桐谷健太の演技は圧巻である。引き込まれる。
ツッコミどころもある。なぜ一郎が父親の死を知ったのか。なぜ公証書を持っていたのか。
それを踏まえても、兄弟の堕落ぶり、翻弄されっぷり、何かに支配される恐怖をうまく描いていて、行間でも心情や行動を想像させる感じは、ザ・映画という印象。
これは2時間ドラマでは描けない心の闇である。
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