「撮影と音楽の産む雰囲気は素晴らしい、が。」ビジランテ ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
撮影と音楽の産む雰囲気は素晴らしい、が。
撮影は素晴らしく、音楽も素晴らしい。演技も皆悪くない。けれどそんなに面白くない、というのは「美しい星」と似ている。
パーツパーツではゴッドファーザー的な要素も見え、絵面的にはおおっとなるが、やはり脚本が足りないと思う。
そもそも逃げ出さずにはいられない殺したいほどの父がかなり空洞。そこに迫るものがないから一向にドラマが盛り上がらない。いなくなった長男も何かあると思ったら何もない。意外にステレオタイプで配置されているだけ。長男の飛び出す理屈、いなくなった時間が補填されてクライマックスに迫っていかないので、結局、テクニカルに素晴らしかったカメラと音楽の産む「雰囲気」の映画で終わった。
撮影と音楽のほうが脚本からの世界観を広げられていたので脚本と演出が追いついていない感じ
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