南瓜とマヨネーズのレビュー・感想・評価
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こういう人いそうだなぁって見てた
太賀さん主演なので見ました。
ここが見どころ!!みたいなところがわからず、
ハギオはチャラいけどめちゃくちゃカッコよかったです。
というより、オダギリジョーさんの演技のうまさにやられますね。
とにかくダメ女が最初に炸裂します。
後半落ち着いて見えるけど、それは近くに男がいなくなったからに見えます。
追いかけずに自分から離れる力を身につけたように見えますが、んー?ってかんじ。
男のために体を売ってお金稼ぐし、しっかり浮気するし、浮気相手、同棲してる家に連れてくるし、彼氏帰ってきても笑ってるし、終始え?です。笑
やばってなります。
ハギオの子供妊娠したけど、おろして'あげた'とかもう、思考がやばいなぁーと。
けどこう言う女性も世の中にはたくさんいて
共感して見れる人は、刺さるものがありそうですね。
愛人ってああやってなってく人もいるんだなと勉強になりました。
あとあの悪そうな顔したおじさまの愛人だった割に案外あっさり縁切れててそこも、意外とスパっなんだってなりました。
こわい人ではない系の愛人だったんですね。
なんか、もろもろしっくりこず、ピンとこず
よくわからない感じで終わりました。
大賀さんがバンドメンバーと揉める感じもリアルでしたね。
当たり強いかんじもリアルでこちらがハラハラしました。
車で、売れねえよこんなのって笑いながら言ってるシーンもリアルだし、よく喧嘩にならないなって思って見てました。
あれ、ともだちでも失礼だし、性格悪!ってなります。
とりあえず人は知らないところで何をしているか、
どれほど努力しているか、どれほど頑張っているか
嘘をついてるか、とか人のことなんてわかりませんね。
太賀さん、歌声すてきでした。
ライブやるなら私も見に行きたいです。笑
台詞の一つ一つがリアル
主演の女の子ツチダを演じた臼田あさ美さんと、恋人
せいいちを演じた太賀さんお二人のリアルな演技に引き込まれました。
人生をテキトーに生きているハギオを演じたオダギリジョーさん、はまり役でした。話し声だけでオダギリジョーさんだと分かる色香でした。
実生活では真面目な方だと思いますが、光石研さん・・・リアルでした。
やるせなさ、気まずさ、思わず相手にぶつけてしまう本音・・・いつの間にか二人を応援しながら観ており、
太賀さんが歌うシーンで、ツチダと同じ感情になっていました。
ラストがいい。
tvkを録画にて鑑賞
リアリティーがあって良かったです。
リアルにああいう風に水商売から愛人になっていくことがあるんだろうなと思いました。
臼田あさみと大賀の一緒に暮らしてるのに距離があってうまくいかない感じ
自分は経験はしたことないけど
こういうことも同棲カップルはよくあるんだろうなと思いました。
何が原因でこうなっていくのかなーて考えさせられました。
オダギリジョーのような
クズってわかってても魅力を感じてしまうのも現実に良くある感じだなと思いました。
そしてただただカッコ良すぎました。
大賀のシャワーシーンの
俺といない方がいいよという辺りと
最後の、大賀の歌っているところを
臼田あさみが泣きながら聞く所が泣けました
太賀、あまり知らなかったけど、良いですね。
臼田あさみの絶妙な溺れ女感。。せいちゃんの音楽のため、という言葉をタテに自分を正当化していく。好きだから?というよりは、義務感?からだったせいか、感覚的に痺れちゃうオダジョーにズブズブいきかけるものの、ブレーキ。原チャが回収されて、心も軽くなった表現は分かりやす過ぎたけど、こっちもスッキリした。あと、せいちゃんが練りに練ってつくった曲、それかーい!笑 とは思ったけど、太賀がいい声でびっくりした。原作読んでたはずだけど、あんまり思い出せず。家でみんなで飲んでたのとか、オリジナル脚本だよね?全体的にはいい話感出てたような雰囲気出しつつ、ただヤバイ女の男遍歴。みたいになってた…うわー、わかりみもある。。みたいな気持ちにもなるけど、あー染みた良かった的なものではなかった、かな。
青春の傷
そもそも作曲家が曲を書くために完全なるニートになる必要はないだろう。それなのに一種盲目に献身的に水商売を始める女。こういう字面で言えば痛い臼田あさ美を魅力的に見つめ続けるカメラ、視点が素敵だ。
そんな彼女は深い考えなしに光石研と愛人契約を結び、あっさりと彼氏である太賀にバレる。独りよがりかもしれないにしろ、彼女には彼女なりのやり方や彼氏に対する不満があり、ここでも視点は女を見つめ続ける。寡黙に見つめ続ける(ように演出する)だけで映画は面白いのだということをここ最近の日本映画は忘れていたように思う。
ここから、彼女はかつて最愛だったオダギリジョーに再会し、またもあっさり関係を持つのだけど、ここは自分は胃を締め付けられるような気分だった。同時に当たり前に2人の男を同時に愛するという事を表現してある事が新鮮でもあったけれど。
女の重い好意に甘えてしまっていた太賀の側の痛みもしっかりと、最近の音楽業界っぽさの真実味の中に描かれていた。残酷なほど辛辣だったり、昔の仲間とのヒリヒリした感じだったり。
そんなヒリヒリを側で眺めている事しかできない存在だった女は男が去ると同時に浮気相手のオダギリジョーの元からも去る。なんというか定石通りなんだけど、オダギリジョーを振り負かすという所まで行けない所がまた痛々しい。
青春って終わってみれば傷ばかり、そんな感慨を抱いた。傑作。
ダメンズ女子の恋
売れないミュージシャンに貢いで、キャバクラ、愛人…
あーもう、なんでこんなにダメな男が好きなの?
才能なんて信じて…。
昔好きだった男ハギオも、もう溢れ出るダメ男(でも色気ハンパない)
結局、ツチヤから自分から離れたせいちゃんは、
新しい道を進んで、素敵な曲をかいて、
ツチヤに聞かせてくれた。
微笑んで。
ハギオなんかに目もくれず、せいちゃんと一緒にいたらよかったの?って、きっとそうじゃなくて、
ツチヤと一緒にいたらダメになるって気づいたせいちゃんが、いい男だったんだ。離れたからよかった。
そんな運命なんだなって。
でも、一緒にいた男がいい男だったって気付けて、
ツチヤ、よかったんじゃないかな。
何を選んで、正解にするのか、ダメンズの揺れる心笑。
でも、せいちゃんの歌にあったかい涙が流れました。
出会ってよかった
あらすじも見ずに選んだ、お昼のお供の1本。
個人的意見ですが今日観られてよかったなー。自身とカブる部分があるわけではないけれど、このタイミングでよかった。
日常を切り取った、どこにでもありそうなお話だったかな。そう思えたのは、キャストの演技力のおかげかも。主要キャストが役にハマってたなー。
ツチダが守りたかった、また聴きたかったせいいちの歌声、よかったです(大賀さん歌うまい)
ありきたりなラブソングを贈るのかと思ったら、そうじゃない歌詞だったところもよかった。
優しい人。
原作があるんですね、映画とまた、違うようで。機会があれば原作、読んでみようかな。
南瓜とマヨネーズ
のような関係、案外いいかもしれないな。
色々なかたち
内容がめちゃくちゃ良かっただとか、感動したとかじゃない。けど、すごく良くて時間が気にならなかった。
平凡で日常にありそうで、全然非日常な空間と映像。
色んな好きがいっぱいあった映画。
せいちゃんの才能に、歌声に完全に惚れてるツチダ。せいちゃんの才能を諦められないツチダ。
ハギオに恋をしているツチダ。昔ハギオに夢中だった頃の思い出に恋して焦がれているツチダ。
どっちにも愛はあるけど、それは恋愛とはまた違って、なんか色々な愛と恋の形を見た気がする。
夢中だけど届かなくて、大切だけど焦がれない。
そんな誰もが一度は経験した事があるような気持ちがたくさん詰まった映画だった。
最後のせいちゃんの歌声震えた。ああ、これがツチダが愛した惚れたせいちゃんの歌声なんだと腑に落ちた。これを守りたかったんだな、そりゃ諦められないよなって。(太賀くん歌上手い)
臼田あさ美、太賀、オダギリジョーの主要キャストもさながら、全体的に全く違和感のない演技。最高。
歳なんて関係ないって開き直るの、恥ずかしくない?
映画「南瓜とマヨネーズ」(冨永昌敬監督)から。
「漫画家・魚喃キリコの代表作を実写映画化」とあったが、
読んだことがないので、逆に、この展開を漫画にすると
どんな作品になるんだろか、と興味をもった。(汗)
ミュージシャンを目指す「せいいち」と、
以前バンドを組んでいたメンバーの会話は、印象的だった。
「せいいちさん、幾つ?」「27。歳なんて関係ねぇだろ」
「関係ないよ、関係ないけど、歳なんて関係ないって開き直るの、
恥ずかしくない?」
そう「歳なんて関係ない」と言うのは、その本人ではなく、
周りの評価であるってことに気付かされた。
夢を持ち続け、何かを始めるのに、歳は関係ない。
逆に、上手くいかない理由を年齢のせいにしたら、
それは恥ずかしいでしょ?と言うことだろう。
歳を重ねたことをプラスにする考え方、行動が、
成功に導くような気がするな。
P.S. (ラストシーンのオリジナル曲、メモしたのでご紹介)
道の向こうにネコがいる 見つめる先には川がある
川の向こうに山がある 山の中には何がある
迷子の迷子の迷子の誰かさん 迷子の迷子の迷子の誰かさん
ギターがあるなら歌を歌おう ギターがなければ手をたたこう
道の向こうにネコがいる 3回まわってニャーと鳴く
ニャー、ニャー、ニャー
新宿武蔵野館にて観賞
オダギリジョーのクズっぷりが素晴らしい。100%ピュアに悪意なきクズ。
惚れた主人公(臼田あさ美)が悪いってことだが、この男、本当に酷い。酷いが悪いと感じさせないオダギリジョー、最近は特に巧い。
本筋は何度と見たヒモ男と尽くした女の物語で何気に味わいはあるが、太賀に臼田あさ美に対抗できる貫禄無し。故にヒモか。
最後の彼女への“にゃーお”も、あんなのライブで本当に唄うのか?彼女の涙が、才能無き男に尽くして時間を浪費した自分へのものに見えてしまった。違うんだろうけど。
自分が23.4の頃のクズだった日を思い出した
夢語ってでかいこと言って、それなのに仕事すぐ辞めるし言い訳して逃げてばっかりだった自分
それでも一緒にいてくれてダメなときにはえらいねって助けてくれた彼女
ツチダとせいいちの関係性があの頃の自分たちみたいだった
ツチダが主人公でツチダの物語だったんだと思うんだけど完全にせいいちに自己投影しながら見ていた
あの頃の二人があったからせいいちは成長し夢、やりたいことに向き合えるようになったんだと思う
最後は二人の関係は恋人ではなくなったお互いがお互いにとって良い存在になった
良い作品でした
20代の青春を思い出しました。
主人公の女の子が、
バンドマンの彼氏と同棲しながら
彼と生活をささえる為ライブハウスでバイトを
しながら愛人になる。
だれもが、どこらしら
共感する部分があるんじゃないかなー。
誰かを忘れられなくて
でもそれがなんとなくあこがれの人で
恋の終わりが怖くて自分から離れたり
彼氏にみついだり
彼の夢が、自分の夢だったり
青春の1ページを覗いた感覚になりました。
彼氏役の太賀くんの歌が上手い!
清々しい失恋。キュンキュンズキズキ。
3人それぞれに共感。両方のタイプのダメンズが個人的にも浮かんできた。一緒に居る時はよく分からないというのが恋愛なんだろう。想いのバランスって難しい。
ずっとは一緒に居てくれないだろうな、でも、いまは楽しくて、欲望を満たしてくれる刺激的なハギオタイプ。こんなのにグラっときてしまうのです。まして元カレで、昔よりいい感じ。なんていわれたらね。
優しくて一緒に居てホッコリする、でも不器用でうだつの上がらないセイイチタイプ。女は惚れた男にはいくらでも尽くしたいのだよ。他の人と幸せになってくれ、とか、離れてから曲できたわ、とか、こちらも酷い男だわ。
自分で何やってんだろ、って思うツチダもめちゃわかる。私だったらきっとハギオに走ってしまうね。矛盾しているけど、恋人がいるから出来るんだろうね。ハギオは軽い関係がいいから。その時はセイイチが振ってくれないかな、とか、そうなったのに、ハギオとの関係も断つ。ダブルで失恋するけど、清々しい。
ダメなんだけど解る
「そんなことしちゃダメだよ」ってことをみんなやるんだけど、なんか解る。そんな感じ。
「一緒にいるのが当たり前になっても、好きでいてくれる?」って主人公が言うんだけど、それ、そうありたいけど、無理なんだよね。そう思って見てるとハギオがぜんぶ建前なしで言ってってすごい。
主人公はせいいちに「曲を作って欲しい」って純粋に思ってるんだけど、主人公がせいいちから離れて初めて曲ができるって切なかったなあ。
太賀、浅香航大、清水くるみと《桐島、部活やめるってよ》のメンバーが揃って、良かったよ。「清水くるみ出て来ないなあ」と思ってたら最初から出てた。感じ違って良かったなあ。
実際にありそうな空気感
主演の臼田あさみ、大賀の空気感がゆるく、自然で。
知り合いのカップルの日常を覗いているような視点で観れる。
二十代後半の普通の女なら、なにかしら体験したり見聞きしてきた恋愛の形。
自分の過去と重ねて苦しくなったり、
ツチダのせいいちに対する態度に冷静につっこんだり。
どんなに一緒にいても心が向き合っていなければ
相手の変化についていけないな。
自分の恋人を自分のイメージの中で完成させてはいけないな。
人の恋愛を覗く感覚だからこそ、こんな学びも生まれてくる。
余韻が深い作品でした。
最後のせいいちの歌がかわいくて、すき。
援交のシーンは少なくてもいいかなと思ったのでマイナス。
描かれる「等身大」は私にとっては過去。
ツチダ気持ちよーくわかる。
わかるけど、彼女のような言動をそれじゃダメよって論破できるように自分を鍛えたのよ。
だからもう同情できないんだよね。ごめんね。
30半ばには同じ気持ちになれるんじゃないかな、考えることを諦めなければ。待ってるからおいで。
そんな気持ちでした。
バンド周りの人間関係も面白く、軽いオダギリジョーとイチャイチャしてーーーとか思い、楽しめましたが、今は昔なんですよね。
20代だったらドンピシャだったと思います。
大賀が働き始めるまでは、こいつ無理って思ってたけど、働き始め、ツチダと別れると決めた彼がとてもかっこよく思えました。
いい歌声だったなあ。
ゼツミョーな間(ま)を見事に再現した、環境音と音楽
うーん、いい映画だ。原作のゼツミョーな間(ま)を見事に再現した、冨永昌敬監督の計算されつくされた技量に唸る。間(ま)があるのに無駄が一切ない。余分が削ぎ落とされたシンプルな作品である。
原作は、魚喃キリコ(なななん きりこ)の1998年のマンガ。
主人公ツチダ(臼田あさ美)は、プロのミュージシャンを目指す恋人せいいち(太賀)と暮らしている。せいいちは、スランプで仕事もせず、かといって音楽を書くわけでもなく、ツチダが生活を支えている。せいいちの夢のためなら、どんな苦労も惜しまないと思い込んでいる。
生活のためキャバクラで働きはじめたツチダは、客の要求を断りきれず、金銭だけの愛人関係になってしまうが、せいいちにバレてしまう。せいいちは心を入れ替えてがむしゃらにバイトの掛け持ちを始めるが、そんなときツチダはかつての恋人・ハギオ(オダギリジョー)と再会する。
"せいいちは大好きだけど、やっぱりハギオも愛している・・・男に尽くすことで自己満足してしまうツチダ。
20代後半女性のやるせない恋愛模様を、淡々と描いていく。原作が名作と言われるゆえんは、相手本位の恋愛関係において、"好き"とか"愛"とかを見失った迷子状態は、意外とありがちなのかも。女性読者に共感を生む。
原作は、少しの会話と主人公のモノローグが中心で、マンガは挿し絵のように進んでいく私小説っぽい作品なので、そのままでは日常風景と単調なナレーション映画になりそうで、まさに間抜けになる。
対して、冨永監督の練られたセリフ(脚本)、厳選されたシーンとカット構成によって浮き彫りにされるキャラクター描写。
特徴的なのは、シーンを埋め尽くす様々な音。何気なく見ていると気づかないが、あきらかに同録のはずなのに、明瞭なセリフと周辺の環境音が効果的に共存している。これこそ山本タカアキの音である(録音技師)。
そして、"やくしまるえつこ"作曲の映画音楽との高次元なコラボレーション。書き下ろしのエンディング曲が突き抜けて秀逸だ。この曲も当然、原作にあるわけがない要素だ。
音がツマっている、びっしり。だからエンドロールの"無音"がものすごいコントラストを得る。中心となる3人が生き生きと蘇り、原作が持つ、切ない空気感がそこにある。これは小品だけど逸品。
(2017/11/15 /新宿武蔵野館/シネスコ)
あの頃の永遠
観た。
学生時代読んだり体感した作品。
好みではないのだけれど、オダギリジョーって役者としてすごいんだなと改めて感じました。
一人だけ出演者の中で別格にオーラ、というか演技に色があります。
私はハギオにいくらでも貢いでしまいそうだ…。
私が一方的に好きだった人には会いたくない。
神様に会いたくない。みたいな感じ。
だって、すごく太っていたりハゲていたら嫌だし、
今彼女なんかいたら立ち直れない。
そういう意味ではハギオはありがたいし、「あの頃」描いていた永遠に近い。
でもそんなハギオもいつか結婚したり子供ができたりするんだろうか?
そんな普通の幸せを受け入れる日がくるのかな?
いつもライブハウスやバンドマン出てくる作品をみると場所どこかなーと考えてしまうけど今回は下北でした。
重い女のブルース
実にジメっとして暗い上に考察しやすい、大変面白い映画でした。
何しろ人物描写が丁寧で、リアリティがあります。それだけで観応えありました。
ツチダは重い女ですね。せいちゃんを愛してる、って言いながら、自分が望んでいるせいちゃんしか愛していない。なので、自分の願望ばかりを相手に押しつける。
「せいちゃんは曲作っていればいいの!」って、せいちゃんはお前の所有物じゃねーぞ、って感じです。せいちゃんのため、と言う名の自己満のために愛人になった上に、そのことについての文句を言われると逆ギレとか、重い!
せいちゃんはツチダといると自分自身の主体性が殺されるため、重く感じてくるのだと思います。愛というよりも、支配ー被支配の関係です。カップルだけど、毒親と子どもの関係にダブります。
せいちゃんが働き始めると、ツチダにとって「私の望むせいちゃん」じゃなくなるので、関係にもヒビが入ってきます。
そこを突いてくるのがプロのヒモ・ハギオ。このハギオの完成度は高いですね!女性に寄生して生きるために無駄なものがすべて削ぎ落とされているような、ある種の洗練さを感じました。ルックスも含め、ヒモ男の最終進化形とでも言えそうな。本当にさりげなく金を搾取するところとか、マジで名人芸。またオダジョーが役にハマりすぎていて、ハギオが登場するたびにクスクスと笑ってしまいました。
せいちゃんはツチダの支配下から脱出し、順調に成長しますが、ツチダは最後まで変わらず重い女のまま。それが、この映画で描かれた哀しさなのかな、と感じました。あんなに辛い恋をしても変われないツチダは哀しい。
せいちゃんがパーカッション叩きながら歌った最後の歌は、そんなツチダの哀しみを包み込むような慈愛に満ちており、心がグッと動きました。歌詞も良かった。本当にツチダはこの先も迷子のままだしね。
ツチダを演じた臼田あさ美は予想外に素晴らしかったです。甘ったるくて重いけど、尖っていない主人公を見事に好演していたように思います。
あと、バンドのボーカルの子がなかなか魅力ありました。グチャグチャしているマヌケなメンズどもとは一線を引いて、バーベキューでもさっさとひとりでチャリで帰るところとか、賢さを感じました。
静謐なエンドロールも余韻に浸れて良かったです。
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