「マフィアの人生だっていつかは枯れていく」アイリッシュマン くまっちさんの映画レビュー(感想・評価)
マフィアの人生だっていつかは枯れていく
トラックドライバーだったフランクが
肉の横流しからマフィアに足を踏み入れていく
そう、マフィアって普段はいい人だったりして
(出会いはラッセルが、車の不調を直してくれたこと)
いつの間にか仲間に引き込まれていく
そして仲間の面倒見もいいんだ、マフィアって
フランクは戦場を経験していた過去があり
気性の荒いところがあったけれど
マフィアとつきあいだしたことで変わっていく
娘をこづいた食料品店の店主を殴りに行き、
相手の手をつぶすぐらい踏みつけたり
(これがきっかけで、娘とは心の距離ができる)
ラッセルと家族ぐるみで付き合うけれど
娘はラッセルにもよそよそしい
(プレゼントをもらって、フランクが「ありがとう」を言えと
何度も促すシーン。すごくよくわかる)
依頼された殺しは仕事と割り切り、
さっさと撃って、さっさと銃を川に捨てて終わり
トラック協会でジョー(アルパチーノ)に気に入られ
地位を与えられ、家族ぐるみの付き合いに。
アルパチーノは昔のワンマンリーダー気質で、
話も上手くて、娘も懐いてる
でもジョーがややこしいんだ
フランクがトラック協会から表彰されるときの
贈呈者としてジョーが話すシーン
かっこよかったし、フランクも嬉しかったはず
だけどその裏ではジョーがもう目に余る存在になっていて、、
ジョーに手を下さなくてはならなくなった憂鬱
仕方ないとはいえ気が滅入る
マフィアだけども
人間関係の難しさや辛さ
家族の不和など、
人生はままならないのは同じ
晩年、ジョーを殺したことでは起訴されなかったものの
別の罪状をいろいろ起訴されて
関係したマフィアのほとんどが刑務所へ入れられる
刑務所内で老いたラッセルと食事をとるシーン
歯がなくてパンはあまり食べられないラッセル
ラッセルは介護が必要で、警察病院に移り、その後亡くなる
フランクは出所してからも
娘と和解できず
車椅子で施設暮らし
マフィアであっても、ギラギラした人生で終わるわけではない