「老齢の役者陣の演技合戦」アイリッシュマン 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
老齢の役者陣の演技合戦
スコセッシの集大成とも言うべきアメリカ黒社会を描いた3時間半の大作。
主人公が回想する現在と、デトロイトへのドライブ、それに至る経緯という3つの時制がからまり、たくさんの登場人物がいることから、人間関係を理解しながら筋を追うのにちょっと苦労する。
淡々とした描写で、カーチェイスや銃撃戦といった派手なシーンはなく、マフィアの実録物といった雰囲気。
デ・ニーロの顔の演技、ジョー・ペシの貫禄と凄み、そして何よりアル・パチーノのカリスマさといった、老齢の役者陣の演技合戦が凄い。50年の歴史を同じ役者が演じるために、CG処理で若返らせたとか。
事件後の主人公の姿と悔恨を時間をかけて描いたことに、スコセッシのメッセージを感じる。もう一度見返したら、この映画の良さや面白さがもっとわかるだろう。
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