「主人公エジソンが嫌な奴という珍しい物語構成」エジソンズ・ゲーム AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公エジソンが嫌な奴という珍しい物語構成
エジソンのイメージは、さほど詳しくない人なら発明王、天才、偉人といったところではないだろうか。そんな印象のままベネディクト・カンバーバッチ主演の本作を観ると、傲慢で尊大な性格、実業家ウェスティングハウスを見下した言動、若き天才科学者ニコラ・テスラの芽を潰す仕打ちなど、“嫌な奴”エピソードの数々に驚かされるはず。
もちろん、妻への愛情など人間的な面も描かれてはいる。それでも、本作の主題である電流戦争に関しては、直流方式を推すエジソンが名声と資金力に物を言わせ、ウェスティングハウス+テスラ陣営のより優れた交流方式をあの手この手で潰しにかかる姿が実に憎らしい。ニコラス・ホルト演じるテスラが不憫だ。史実に基づくドラマなので仕方ないが、テスラがもし出会いに恵まれ、若い頃から存分に発明の数々を実用化できていたら、今の世界も相当違っただろうにと思わずにはいられない。
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