「またも限界越えに挑んだセロンに熱狂」アトミック・ブロンド ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
またも限界越えに挑んだセロンに熱狂
クリックして本文を読む
『マッドマックス』とはガラリと違う役ではあるものの、今回もまたシャーリーズ・セロンが破格のストイックさで身体表現の極みに挑戦。コート姿に髪をなびかせ、スタイリッシュな身のこなしで相手をバッタバッタとなぎ倒す様が無性にかっこいい上に、終盤のワンカットのアクションは近年公開された映画の中でも指折りのクオリティ。さすが『ジョン・ウィック』チームだけあって、アクション構成には抜かりがない。
それに比べてマカヴォイは見事な堕天使ぶりを発揮。スキンヘッドにギブスの腕で、破格のボルテージに沸くベルリンの壁崩壊の瞬間を余すところなく引っ掻き回してくれる。この役者の対比だけでも十分楽しい。
独特なのは80年代のカルチャーを音楽と色彩とで表現し尽くしているところ。単なる往年のスパイスリラーの二番煎じではなく、当時のリアルな空気を匂わせつつ、常識が何ら通用しない異空間を作り出しているところに妙味を覚えた。
コメントする