ゲット・アウトのレビュー・感想・評価
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リベラルの欺瞞を寓話的に表現
人種差別を題材にしたアメリカ映画は数多いが、本作のインサイトはとりわけ深い。差別は良くないと啓蒙的なメッセージの裏側の嫉妬や妬みをも描くからだ。
白人と黒人の身体能力は確かに違う。バスケットボールのスター選手の多くは黒人だ。社会的地位が白人の方が上のうちは白人たちにも心の余裕があるだろう、しかし社会から差別がなくなれば白人たちは自分たちが黒人よりも劣っているのではと劣等感を抱き始めるだろう。そんな感情を抱くのは典型的な白人至上主義者だけではない、オバマを支持するような中間白人層だって例外ではないのだ。
本作はそんな白人たちが潜在的に抱える「追い落とされるかもしれない恐怖」を描いている。その恐怖が、さらに黒人たちにおぞましい脅威を見せてしまう。アメリカの人種問題に対する根深い病理を見事にえぐり出した作品だ。
笑いと恐怖は紙一重なのだ
お馴染み「ブラムハウス」レーベルから、低予算ながら観る者の深層心理を針でつくような怪作が届いた。手がけたジョーダン・ピールといえば米の人気コメディアン。そんな彼がまさかホラーで監督デビューを果たすなんて誰が想像しただろう。しかし笑いと恐怖には共通のテンポとリズムがあり、その着眼点にも相通じるものがあることを本作を通じて思い知らされた。
会話の中で生じる違和感と居心地の悪さ。これらが徐々に折り重なって、生存本能的に「この場から逃げ出したい」と思わずにいられなくなる心理。そしてやがて明らかとなる、すべての予想を覆すとんでもない顛末。最初の鑑賞ではストーリーに衝撃を受け、二度目の鑑賞では随所に伏線が仕込まれ、登場人物の思いやり溢れるセリフも、実は全く別の意図が働いていたことに大いに驚かされるはず。
歴史を見据え、社会批評の目も持ち、なおかつ娯楽作でもある。ピールの今後の快進撃に期待したい。
カテゴライズするなら新・ブラックムービーの1篇
白人の恋人から実家の両親に会ってもらいたいと言われた黒人青年が、受け容れてもらえるかどうか不安がりながら訪れた先には、"とてもフレンドリーな"白人コミュニティと、彼らに傅く"まるでロボットのような"黒人の使用人たちが待っていた。そこからの展開は、「招かれざる客」転じて人種差別スリラーへ。しかし、ここで扱われる差別は著しく捻れていて、怒りよりショック、恐怖より笑いを含んで怒濤の幕切れへと突き進んでいく。暴力ではなく純愛にフォーカスした「ムーンライト」、差別と同等に夢の共有に寄り添った「ドリーム」の流れを汲む、新・ブラックムービーとしてカテゴライズしたい1篇だ。
括りは恋愛映画だがマ王ならドッキリを祈る
前々から気にはなってたブラムハウス製作の映画😐
しかし、ブラムハウスの作品って奇を衒った内容のモノが多いから評価の落差が大きいのも否定出来ないでしょ😅
今でこそブラムハウスはホラー系の御大みたいに思われてるけど裏切る時は知らん顔😑
騙されたお前等が悪いとばかりの駄作もあるしなぁ😶
そんなこんなで観てみました「ゲット・アウト」です✨
Get out、和訳すると「出てけっ!」と強い意味が含まれる言葉ですが、スラングだと「冗談でしょ」みたいな感じにも使われたりするのよね😋
色んな映画の色んなシーンで「Get out!」と叫ぶ場面があるので字幕で追うより生音から現状を想像して適切な脳内和訳をするのは、映画バカの楽しみ方でもあります🤣
さて本作においての「出てけっ!」ですが、手遅れの場所からの本人の心の叫びがタイトルになってるみたいです(ネタバレギリギリ)
まぁ一般家庭では到底無理な施設とかに、流石はフィクション、と若気けてしまいましたし、何となくアナログな部分もあったりで、大丈夫?ちゃんと出来る?、みたいな不安も感じたりと(ネタバレスレスレ)ホラー映画ではよく見られる現実とのギャップもありで、マ王的には週末の深夜に映画館でのデートには最適の作品かなと←恋人のいないマ王の悪意ギュウギュウ
もう一つ、タイトルの和訳には「取り出す」という意味もある😵💫
何を取り出すのかは観たら解ります(ネタバレ寸前)
でも黒人の扱いが向上したのって(一般人扱い)ホント最近の話だからね🥲
今でも根強く残るアメリカの人種差別問題を題材にした本作は観る人間にとっては「Get out!」(嘘でしょ?)と言いたくなる内容だが、ほんの半世紀前まで黒人やヒスパニック、アジア系には人権なんて与える気が無かったのが白人だからね🙃
そもそも白人は根拠の無い「優生学」に基づいて差別を続けてたって話だから、差別の根っこなんて浅いもんなのよ😜
でもね、人間なんて教育次第で右にも左にもなっちゃうから怖い話なんだよね、実際は😱
マ王は差別が嫌い⤴️
そういう高圧的な性格では無いので寧ろ軽蔑の対象でもあります😤
だけどもマ王、性癖系がサディストなので夜は厳しめの言葉を耳元で囁くかも❤️←これぞ正に「Get out」(冗談だろ)と言われそう
映画館での鑑賞オススメ度★★★☆☆
ブラムハウスの実験的映画度★★★★★
フィクションでも嫌な恋愛度★★★★★
ホラーというよりSF気味なサスペンション
内容のどこを言ってもネタバレになってしまうので何も言えませんが、ヒロインのお姉さんの演技と演出凄まじいです。
前半と後半で同一人物とは思えませんでした。
綺麗なお姉さんに言い寄られたらホイホイいっちゃうのは万国共通なんですね
60点
映画評価:60点
差別なんかしてないと言いつつ、
ガンガン差別していくスタイル。
でも差別ではなく特別。
そして憧れ。
こういう見方もあるんだと感心しました。
この作品に理解を示せる方は、
もっと評価しているでしょうが…
私はこのジョーク(作品)に対して知識が足りませんでした。
というのも、この作品の根幹となっているのが
【黒人への憧れ】であるからです。
私が日本で育ったからなのか、
肌の色に対しての偏見もないし、
他民族別の能力(特性)に憧れもないので
その辺が共感出来たら、もっと面白かったのかなぁと思いました。
とはいえ、普通に面白いので
まだ見た事ない方は是非見てみて下さい!
【2024.5.14鑑賞】
伏線回収がすごい映画
一度鑑賞してからネタバレサイトを見ると面白い。
写真を撮られた黒人男性が鼻血を
流すシーンの真相。
冒頭に出てきた鹿の種類の意味など。
意味を理解した上で映画を見直すと 面白さや怖さもより感じられ、黒人差別問題も考えさせられる。
乗っ取られる恐怖
トランプ旋風の背後に、非白人、特に黒人人口の台頭があると聞いていたが、数で乗っ取るところ、身体を精神で乗っ取るという返し技になるあたり、現代のアメリカの(そして他の国の)人種にまたがる不安をうまく表現している。
☆☆☆★★ ちょっとだけの感想で。 簡単に申せば… 「その手が有っ...
☆☆☆★★
ちょっとだけの感想で。
簡単に申せば…
「その手が有ったか〜!」
…と、思わず膝を叩いてしまう程の快作。
一応はホラー作品として認識するべきでは有りますが。一概には《ホラー》の括りでは収まらない、歴史的な恥部が、背景として存在するのが【肝】と言えるのではないでしょうか。
…まあ、そんな事を考えずに。単純に作品として楽しむのが、鑑賞方法としてはベストなのは明白では有りますが(^^;)
そう言えば、外から助けに来るデブっちよ黒人のアイデアは。ブルース・ウイルス主演の〝 あの 〟大ヒットアクション映画からなんじゃないの?(¬_¬)
2017年10月29日 イオンシネマシアタス調布/スクリーン8
何とも言えぬ居心地の悪さが素晴らしい
周囲の人間が、明らかにおかしいのではなく、言語化するのが難しいが何かがおかしい、調子がずれている感じを描くのが上手い映画だと思った。監督の独自の感覚が味わえて楽しめる。
終始違和感しかない人たちに囲まれているが、主人公が友人と話しているときだけ普通の世界が広がり、観ているこちらもそこで救われる感じがするのが良い。
あの友人は観客を代弁しているとも考えられる。
例えば、ブラック企業に長年勤めていると感覚が麻痺してきて、異常なことも普通になってくる。そんなときに友達に会社の話をすると「それってヤバくない?」と言われ、そこで初めて自分の置かれた環境の異常さを実感する。
あの友人はその役割を果たしていて、とても良いキャラクターだった。
家政婦が笑いながら泣くシーンは、本当に違和感と不気味さしかなくて最高!
あ、ちなみにティーカップをスプーンでかき混ぜるシーンの音はすごく苦手だった。
何て言うの、あの黒板を引っ掻いたときに鳥肌が立つやつ。あの感じがして嫌い。
新・ホラー
映画を見る時
展開が全く謎で、なんとなく退屈になり
途中で観るのをやめてしまう事があります
しかし中には何故か同じ謎でも退屈しない
何故か気がついたら最後まで観てしまい
結局、楽しめた!っていうのが本作品
この映画を楽しみたいなら
予告や前情報は一切遮断するべき!
面白さを不快感が圧倒的に上回る
巷で評判の「ゲットアウト」ホラーが苦手な私でも観てみたくなった。
ふたを開けてみればスリラーで、自分が不安になる怖さはなかったので良かった。しかし、あまり良くなかったのだ。
この作品は人種差別とスリラーの二つについて話さなければいけないだろう。
まず、差別や黒人奴隷を想起させるいくつかの仕掛けには、多くないとはいえ気付く事ができた。
どちらかというとモロ出しにみえて、粋ではないと感じた。本作はスリラーであるから、こういったテーマというのはある程度隠されていないといけない。
なんだか、白人の警官がアフリカ系アメリカ人を笑顔で殴打している映像を見せられたような気分で、興がさめたどころか少々不快に感じた。
次にスリラーについて。こちらは序盤の、白人のような振る舞いをするアフリカ系アメリカ人たちの不気味さは面白かった。
しかし、主人公クリスに直接降りかかるような危機が終盤までないせいで、ヤバイよヤバイよ、早く逃げろ!という気持ちにならない。期待したほどのスリリングさがほとんどなかった。
それに、白人らしい振る舞い、アフリカ系アメリカ人らしい振る舞いというのがすでに差別的過ぎてやっぱり不快だった。
となると、スリラーと人種差別をブレンドしたことが醍醐味かなと思うけど、これだって「サバービコン」や、あまり差別を扱っていると認識されていないけど、タランティーノ監督の「ヘイトフルエイト」とか、もっとうまくやった作品もあるし、評価する気になれない。
もし本作の監督が白人だった場合、絶賛されるどころかボロクソに酷評されると思うんだよね。ジョーダン・ピールがアフリカ系だから絶賛されるのって差別ではないか?
作品の中でアフリカ系は有利か不利かという問いかけがあるが、有利とか不利とかその考え事態が差別的なんだけど、監督で脚本のジョーダン・ピールはわかってて有利になる差別を受けたのよ。
もともとコメディアンとしてそういう人だから、それは別に問題ではないんだけど、さすがにちょっとダメじゃないかと思うのはエンディングだ。
少しネタバレ入るのでご注意。
この作品は、白人がアフリカ系をなぶる姿を延々と見せるだけのスリラーだったわけだが、ラストに同郷の友達が助けにきたことで、アフリカ系はアフリカ系同士かたまっていた方がいいというメッセージを残したと思う。私は別に構わないと思うけど、世界の流れ的にはダメでは?
「サバービコン」や「ヘイトフルエイト」はちゃんと融和のメッセージを残して締めている。
ジョーダン・ピールにとってはコメディなんだろうけど、全く笑えない。
鹿。 主役のカップルがとっても素敵♪ クリス、神経質さがかわいい☆...
鹿。
主役のカップルがとっても素敵♪
クリス、神経質さがかわいい☆。一瞬チラッと見える良いカラダ。
ローズ、綺麗~!映画ほかにも出てないのかな。下唇をかんだ表情がチャーミング。 ボーダーめっちゃ似合う。
・・・あれ?これも品定め?
ドーナツ選んでるとこ思い返してぞぞぞ。
何が怖いって、顔芸の圧がパネぇっすわ(^^;)
暗闇の底で溺れながら一生なんてゴメンだわ。。。
とはいえ、私なんぞはアーミテージ一家目線で観てしまったのでね。
ビヨンセならいくら払うかなウケケケケ。
ローズは最後にもう一頑張り欲しいところ。T-800的な。恐さが別方向にネジ曲がるけどw
【平山夢明『恐怖の構造』で扱っていたホラー映画を観てみる】
2本目。
友達は大切にしよう
とにかくイカれた家族(親族)の薄気味悪さが最高
面白かったけど、個人的には正体が分かるのが若干早かったのでは?と感じました
それにしても当初イカれキャラだと思った警備員のお友達が一番冷静でマトモな思考の持ち主だったとは!
友達は大事にしようと考えさせられました
白人の恋人の家で味わう《黒人青年の恐怖》
2017年。監督はジョーダン・ピール
この映画はネタバレの考察がネットに溢れていて、
微に入り細に入り丸裸にされています。
最初に観た時のシンプルな感想を書かせて頂きます。
黒人である程度成功したカメラマンのクリスは、
白人で気立が良く美しい恋人ローズの郊外の実家をはじめて訪れます。
オバマ支持者というリベラルな両親に紹介されるが、
管理人とメイドは黒人だった。
会話の端々に違和感を感じ、居心地が悪く“それこそ“
何かがおかしいのだ。
ローズの母親には催眠術をかけられて、幼い頃母親を亡くした辛い記憶を
まざまざと思い出して沼地に沈んだような気持ちにされる。
そして開かれるアーミテージ家の親睦会パーティー。
親しげに会話するのにここでも違和感を感じてイラつくクリス。
黒人が好きなのは性的な興味なのか?
ローズにさえ猜疑心を感じるクリス。
耐えきれず帰宅しようとすると突然またしても魔術をかけられて、
気がつけば地下室に手足を拘束され椅子に縛り付けられている。
ここからは想像以上にヤバい展開が待っています。
ネタバレになるので書きませんが、ホラー映画の秀作です。
白人と黒人の間に横たわる猜疑心や溝は思っている以上に深いものだと
思い知らされる映画でした。
そしてそれをリアルに示したジョーダン・ピール監督の才能に
驚嘆しました。
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