「衝撃的なホラーだ。」ゲット・アウト kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
衝撃的なホラーだ。
最初は自分一人が黒人であることに心配していたクリス・ワシントン(カルーヤ)。ローズ・アーミテージ(ウィリアムズ)が運転する実家への道中、鹿を撥ねてしまうというアクシデントも心配材料の一つになった。思いのほか、黒人であることへの不安は払拭されたが、彼を見つめる使用人の黒人ジョージナ(ベッティ・ガブリエル)やウォルター(マーカス・ヘンダーソン)の異様さが目立つ。
しかし、精神科医で催眠術が得意というミッシー・アーミテージ夫人(キャサリン・キーナー)
に夜中に催眠術をかけられ、地の底に落とされると経験をしたクリス。ティーカップにスプーンをカチカチと鳴らされるだけで、暗示にかかってしまうようになってしまった。翌日のパーティは毎年同じ日に祖父と仲の良い人が集まるものだったが、祖父が死んでからも慣例として続けられているものだった。会う白人皆の目が怖かったクリス。その中で1人黒人青年がいたことにホッとするものの、なぜか違和感を感じる。気になってスマホで写真を撮ると、彼は鼻血を出して襲い掛かってきた。早速、その写真を空港警察に勤める友人ロッド(リルレル・ハウリー)に送ると、冒頭にも出てくる、半年前に失踪した男だと判る。そしてローズが過去に黒人と付き合ったことなどないと言っていたのに、黒人男性と一緒に映っていた写真が多数発見される。
父親ディーン・アーミテージ(ウィットフォード)は神経外科医でもあり、自宅の地下室に移植用の手術室も持っていた。クリスは催眠術によって監禁され、眼球の移植をされようとしていたのだ。パーティの参加者も全員何らかの移植手術を受けていたようで、提供者は全て黒人。一家全員狂ってる!そして、見たところ、ジョージナやウォルターは実は祖父の脳を黒人の体に移植されていたという雰囲気だ。頭部の切断痕が痛々しいと同時に恐怖を覚える・・・
70年代の骨董品的テレビに映し出される映像。盲目老人にやりかけた移植手術。何より、ティーカップの音だけで殺されそうになる恐怖。耳栓をしてピンチを脱し、最後にはロッドが救援に向かってくれたので助かったが、これがもっと悲惨な結末を迎えていたら、満点評価になったかもしれない。