「悪夢」ゲット・アウト テツさんの映画レビュー(感想・評価)
悪夢
じんわりと恐ろしさが漂い、最後まで目が離せない極上のスリラーだった。
オープニングの拉致から不穏な空気が漂い、そこから始まるオープニングはまだ明るいが、鹿を撥ねてから不穏な空気はずっと続く。(あの鹿にも暗喩があるのかも?それはこれからの彼の運命か、彼女の死に様か?)
家に着いてからの使用人たちの不穏な言動やゲストたちの不審な行動、フラッシュに過剰反応する彼、催眠術…不穏な空気が色濃くなるにつれ、彼は脱出を試みるが…
とネタバレなしにはここまでしか語れないか
で、真相は黒人を拉致し、催眠術で洗脳、手術で白人の意識を入れ身体を乗っ取るというまさかのサイコスリラーに!
正直、こんな展開は予想してなかったが催眠術やら脳手術など現実とフィクションのギリギリの辺りを狙い、ハラハラドキドキのスリラーを作り上げていた!
味方なし、催眠術にはかかってるし、頼れる者はほぼなし(遠くに居た友人の頑張りはナイス!)というまさしく悪夢のような状況で明かされる真相に絶望感しかない。
ゆえに最後の戦いはハラハラさせながらも彼の生き残りをかけた戦い、そして復讐の虐殺は苦々しくもグッと爽快にさせてくれる。
黒人だ白人だに関してはこういった差別が社会問題として長年存在しているアメリカ人には思うところがあるのだろうし、こういった文化に精通している人もその観点から考察できるだろう(勉強させていただきます。)
そういった視点が無くとも、悪夢のようなサイコスリラーとして満足!
パンフレット読んでから追記
人種差別への風刺がこもっていたというのも、良く理解出来たし露骨な差別とかではなく特別扱いしているような差別というか、そういう点もあるのだと改めて勉強になった