ミッドナイト・バスのレビュー・感想・評価
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☆☆☆★★★ 簡単に。 家族再生ではなく、家族和解の物語。 どうや...
☆☆☆★★★
簡単に。
家族再生ではなく、家族和解の物語。
どうやら世評は今ひとつの様で、鑑賞前は「どうなのかなぁ〜!」とゆう思いが有ったのですが…。
観終わり、そんな思いは杞憂に終わりました。なかなかの良作と思います。
但し。要所、要所で繰り広げられる長回しで有ったり。心が離れ離れになっている家族1人1人の胸の内。そして10年付き合いながらも、のんべんだらりとした関係に、なかなかハッキリとした答えを見いだせないでいる小西真奈美との恋愛事情等。
確かに2時間40分弱の上映時間は、長いと言えば長いですね。
それでも。永きに渡って冷えきり、凍りついてしまっていた関係を溶かす為の時間として、必要な時間だった…として、納得しながらの鑑賞では有りました。
主な出演者達は皆がそれぞれの立場を好演。
見応えのある人間ドラマとなっていました。
この監督さんの作品を観るのは初めてでしたが。今後の活躍を期待出来る監督さんかと思います。
これはある程度の年齢や、様々な経験を積んだ人で有れば有る程、この原田泰造演じる主人公の気持ちに寄り添う事が出来る…と言えるのかも知れませんね。
♫ローズ♫の使用にグッと来ました。
2018年2月11日 スバル座
The Rose
原作未読
新潟と池袋を結ぶ深夜高速バスの運転手と子供達と元嫁が行き詰まった人生を見つめ直し再出発していく話。
それぞれに自分自身の思いとこの家庭だからこそ抱えている家族への感情というものがあり、互いを受け入れ合えなかったりさらけ出せなかったりする中で、祖父が切っ掛けとなり解けていく。
自分の生きてきた環境と似ている部分が少なからずあり、そんな自分からみて感情や思いが重なる部分とか、そうでないながらも理解出来るところが多々あって劇中に引き込まれた。
そういう中で登場人物達全員が良くも悪くもとにかく優しさに溢れていて、温かい気持ちになった。
それにしても…人間て奴は身内に対しては簡単には素直になりきれないもんだよねぇ。
覆水盆に返らず、されど家族の絆は海よりも深い...
東京での生活を捨て、東京-新潟間の夜行バス運転手を続けている主人公高宮利一(原田泰造)。男手一つで育ててきた二人の子供も自立し始め、東京で定食屋を営む恋人・志穂(小西真奈美)との新しい生活を考えていた矢先、16年前に突然家を出て行った元妻・美雪(山本未来)と偶然再会し、失っていた家族の時間が急に巻き戻る。彼らの日常を淡々と描きながら、一度壊れた家族が新しい絆に生まれ変わる様子を実に味わい深く見せてくれました。「分かり合えること」が家族の特権と感じた次第です。余韻が広がる佳作です。
地味だけどよくできた幕内弁当のような映画
久しぶりにちゃんとした映画を観た、そんな気にさせてくれる良作です。自分にとってちゃんとした映画とは、大げさで仰々しい、或いは、禍々しいネタを一切使わずに観衆を物語に引き込んでくれる、そんな映画のことを意味しますが、本作はまさにその映画。さっぱりとした幕内弁当を食べたような適度の満腹感があってしばらく心地よい余韻を味わいました。ちょっと褒めすぎかもしれませんが小津安二郎映画のような無駄のないセリフと「間」、さりげない小道具で、夫婦の離婚によって傷つき、一度は離れてしまった家族間の絆がゆっくりと修復されていく様がよく描かれています。俳優さんもみなうまい。ちゃんと相手のセリフを聞いてお芝居している感じがとても心地よい。特に主役の原田氏の演技がなかなか魅せる。うまく説明できないけど、特にセリフがなくても「間が持つ」感じがある。これって多分、人間関係を描く際に俳優として大事な才能だと思う。今後の更なる活躍を期待したいですね。それと予告編にもでてきた「扇の要」の話はなかなか深い話でちょっと考えさせられました。多分、これこそわれわれ現代人が密かに探しているものだとおもう。誰もがみな少しずつ寂しくて、それゆえ「要」となるものを探している。本作から、その答えそのものではないけれども、そのことについて考える良い機会をもらった気がしました。脂ぎっていないさっぱりとしてゆったりとした味わいの「幕の内弁当のような映画」(笑)を探している方、多分、この映画は当たりです。本作にも出ている長塚京三氏が出演した「ぼくたちの家族」が良かったって方にもお勧めしたいですね。
夫として、父親として
50代になって男の役割も、夫、子どもが巣立つ頃の父親、親の介護に直面する子と、いくつもの顔を持つと思う その年齢に応じた気持ち感じ方があると思う 原作を先に読んでから鑑賞 ほぼ原作に忠実な展開だが、息子娘役の2人と親の会話は、表情も間もあって胸に迫る 別れた妻のことって、いつまでも気になる心配になることは「罪」ではないと思うのは身勝手なのでしょうか
不思議な魅力に引き込まれ
地元の新潟が舞台だから見に行った。久しぶりの映画鑑賞。次々と見知った風景が出てきてわくわくする。だけどそれだけじゃない。作品そのものに魅せられた。
まずキャスト。元妻と彼女の間で揺れる主人公を原田泰造が演じる。お笑いのイメージが強いだけにかえって抑制の効いた演技がはまる。免許を取り吹き替えなしのバス運転もリアリティ十分。元妻の山本未来は更年期の不安定な中年女性になりきっている。よくも悪くもストーリーを引っ張る。まるで彼女のための作品と感じるくらいだ。小西真奈美は耐える恋人役がいじらしくかわいい。葵わかなは若いのにうまい。朝ドラ主役はだてじゃない。七瀬公は必死に演じている様子がういういしい。そして長塚京三は圧倒的存在感。物語をぎゅっと締める。
総じてキャスティングの妙と各人の好演が光る。
演出もなかなかだ。関越トンネルの行き来が主人公の心象風景の切り替えになっている。主人公と元妻の告白シーンのカット割りが斬新で驚いた。主人公が男泣きする場面の撮り方、音処理も秀逸だ。ラストも凝っている。
脚本は淡々と進むようでメリハリがある。各キャストそれぞれに印象に残るいいせりふがあるのがすごい。
音楽は川井郁子のテーマソングがいい。バイオリンのもの悲しい旋律が頭を離れない。劇中、葵わかなたちアイドルグループが歌う曲もインパクトが強い。山本未来の出現時に流れる「ローズ」が実にロマンチックだ。大人の恋?にマッチする。
上映時間は2時間半。通常の作品より長いが、そんなに感じさせない。気が付くと不思議な魅力に引き込まれ、ラストを迎える。
テレビドラマと比べてはいけないが、丁寧に作っている証なんだろう。映画っていいな。あらためてそう思った。
ふるさといまだ
一月の終わりに79歳の誕生日を迎えた母からこんなメールが来た
「新潟で撮影をした映画が見たい
20日公開だけどもし名古屋でも見る事出来る 私見てないけど
懐かしいかもよ ご案内まで
ではでは」
さっそく一日 『映画の日』 に観てきましたよ
人は結婚すると新しい家族ができる
と同時に家族が増えもする
旦那の家族 妻の家族 そして新しい家族
今更ですが私が結婚した時は新しい家族の事ばかり考えていて
自分が子供である家族のことをすっかり忘れていました
私は旦那であり親であり子供なのだ
何年何十年経っても変わらないもの
ゆいつ変わる可能性があるのは旦那
この映画はそんな話でもある
義父のセリフにこんなのがあった
「男親は扇の要だ、バラバラにならないようにどっしりとそこに居ればいい」
なるほど
あまり真剣に考えたことがなかった私にはたいへんいい刺激になりました
そして少し怖くなったりもしています
主人公は東京⇔新潟間の深夜バスの運転手、自宅は新潟 私の故郷と一緒だ
自宅へ帰れば成人している子供が二人いる
母親は八年前に離婚
姑との折り合いが悪く家を出たのだ
度々出てくる故郷の風景が懐かしく胸が熱くなる
別れた奥さんとの会話にこんなものがあった
「なぜ、再婚したんだい?」
「寂しかったからよ」
「あなたはなぜ再婚しなかったの?」
「寂しくなかったからだよ」
子供が居なければどれだけでも時間を自由に使えるけど
一人じゃ、以前あった『家族』の穴は埋まらないのでしょうね
手話で家族を表すのは、右手は親指と小指を立てて上を向け手を回
左手は右手の上に屋根のように手のひらを広げます
家の中に親と子供がいる それが家族なのですね
「新潟には何もないと思ってた、でもちゃんと家族があったんだね」
私も甘いようですが田舎の親のぬくもりが恋しくなってきたみたいです
でわでわ
不器用だからいい
山本未來が演じた元妻の気持ちが分からないと言った女性が何人かいた。でも、昔好きだった男に優しくされるとつい頼ってしまう女性はいる。僕のすぐ身近にもいるから、その人を想像しながら映画を観た。
原田泰造が演じた男が情けないと言った女性も何人かいた。でも、ああいう優柔不断で不器用な男は少なくない。父親としても男としても不器用だから物語が身近に感じる。
登場人物はみんな不器用。だから共感できる。泣ける。
身につまされる家族の物語。
高速バスとはうまく思いついたものだ。新幹線とは味わいが違う。まるでかつて上野から出ていた夜行列車のような、どことない寂しさがある。
人と比べて不幸とまでは言えないが、だからと言って後悔してないと言い切れないこれまでの人生ばかり。まるで"高速バスに乗り合わせる"ように"家族として関わる"。切っても切れない親子の縁、嫌いで別れたわけではない元夫婦、踏み切れない結婚、、、思いを伝えるのが下手な優しい人たち。物語を彩るキャストが皆良かった。特に、本人は自覚がなさそうだが息子の怜司は、すべての人間関係の鎹となる存在であった。
初日舞台挨拶あり。
劇中、とても穏やかで物静かで誠実な役を好演した原田泰造はやはり、言葉が少なくてもやけに可笑しい素の一面がにじみ出てて、見ているだけで可愛い。あれは劇中だけに限らずモテるわ。
長塚京三があるワンシーンについて「家族で撮った記念写真は、赦しの儀式」と解説していた。それがとても腑に落ちた。だから皆笑顔なのだ。そして、この先もそれぞれの抱えた悩みや苦労を自分で乗り越えながら生きていくのだ。「マンチェスター・バイ・ザ・シー」や「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」のような、"ハッピーアー"エンドが現実的であろうし、共感を生むのだろうな。
今回、原作を半分くらい読んだところで鑑賞。読んだところから先の話の流れは予想がつくものの、しかしまあ、あんなラストになるとは思わなかった。川井郁子の曲に合わせて演者のテロップが流れ出すと、早く早く!と気が急いてしまった。そして、ラストで涙が流れてしまった。うれし涙か哀しい涙かは書かないが、小説では、どんな終わり方にしているのか、いま気になって仕方がない。
思う通りにはいかないリアルな人間ドラマ
新潟の先行上映初日の夜に観ました。
夜9時の上映だったけど客席の8割くらい入っていた。
決して順風満帆にはいかないリアルな人間ドラマが描かれている映画で、しかし暗い雰囲気は無く、自分の生活と照らし合わせながら、ものを考えながら観ていました。お陰様で少し自分自身の悩み事が少しほぐれました。
みんな平気な顔をして普通に生活してるように見えるけど、それぞれ大変な事を背負って生きているんだよねえ。
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