劇場公開日 2018年5月25日

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「昭和テイストに満ちた捩じくれた近未来がとにかく奇抜」犬ヶ島 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0昭和テイストに満ちた捩じくれた近未来がとにかく奇抜

2018年7月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

舞台は近未来の日本。メガ崎市で犬インフルエンザが大流行、ネコ派の小林市長は沖合にあるゴミ島に全ての犬を隔離する条例を施行、第1号として自宅の愛犬スポッツを送り込む。不運な事故で両親を亡くし市長の養子となっていた12歳の少年アタリはスポッツを捜すため小型飛行機を盗んでゴミ島に向かうが機体故障で島に墜落。アタリを助けたのはチーフをリーダーとする犬達。アタリは彼らとともにスポッツ捜しを始めるが、同じ頃条例撤廃を目論む高校生グループ達が密かに活動を開始していた。

隅々までジャパンリスペクトが滲んだ全編超絶技巧のストップモーションアニメで、特に黒澤リスペクトが顕著で近未来の話なのに昭和テイストがダダ漏れという異常なビジュアル。犬達の会話は便宜的に英語に吹き替えられ、人間達が話す日本語のセリフは同時通訳で英語に訳されるというややこしい構成になっているので時折全く訳されていないセリフもあったりして、洋画なのに日本語を解する人だけがより楽しめるようになっているところがなかなか捻くれていて面白い。豪華な声優陣も魅力で、犬達が憧れる島のクイーン、ナツメグ役のスカーレット・ヨハンソンのセクシーさがシャレになっていません。

よね