最低。のレビュー・感想・評価
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娘がAV女優になる家庭。妻がAV女優になる家庭。母親がAV女優だっ...
娘がAV女優になる家庭。妻がAV女優になる家庭。母親がAV女優だった家庭それぞれの物語。
生きている中で一番密接に関わるであろう家族ですら、相手の心の中には全く計り知れない部分を誰だって持っている。家族がAV女優になることでお互いの計り知れない部分に向き合わなければならなくなりそれぞれが悩み、葛藤する。
作品を通して常に登場人物全員のそれぞれの思いや感情が交錯しており、鑑賞者である自分でも共感できる部分、理解できない部分がありました。そして登場人物の計り知れない思いを考察などする必要もないし理解できない部分もあって当然なんだろうなあと思えたのが面白かったです。
ラストには理解できなくても家族は家族であることに救いがあった作品でよかったです。
女優さんの体当たりの演技に役者魂を見ました...
様々な事情からAV業界と関わりが出来てしまった3つの家族と夫婦をオムニバス形式で描写。原作未読ですが、なるほどインサイダーの原作者ならではの視点が新味でした。ただ、これでR15+なの?と感じるほど濃密な場面のインパクトが強過ぎて、おそらくは本作の命題であったと思われる家族間の軋轢と和解に至る葛藤の部分が脇役に押しやられてしまったような感が残り少し残念でした。
理解と、共感と、違和感と。
先が見えなくて人生が停滞してしまったように感じることは誰しもある。そんな時にとりあえずの現状打破としてAV業界に入っていく人もいるのだとこの映画は教えてくれた。演技の素人でも最初から主演女優になれるから承認欲求も満たされるし、お金も貰えるわけだから、AVに出るというハードルを越えられる人にとっては、魅力的な仕事なのだろう。大半の女にとってはハードルどころではなく断崖絶壁に見えると思うけれど。
同性である女性の視点から描かれたAV業界ということで観てみたが、彼女たちの選択に共感はできないまでも理解はできたように思う。道に迷ったときその場に蹲る代わりにとりあえずそっちに行ってみた、手を引く誰かがいたり、当てつけたい相手がいたりしたから。そこで「成功」する人もいれば脱落する人もいて、自分の選択であるなら責任は自分で取ればいい。大人なんだから。
でも娘を持つ母親として、釧路から飛んできたあのお母さんには共感した。娘がついに決壊して泣いたとき、やっとこの子を取り戻したという満足と安堵の笑みをあの人は浮かべていた。唯一涙が出たシーンだったが、母親という存在の恐ろしさを感じもした。
高校生の祖母、母との女三人の人間模様についてはなぜかあまり心に響かず。三人の誰にもあまりリアリティを感じられなかった。結末の異母姉妹の邂逅についても話を作り過ぎた印象。ラストシーンは良かった。
う〜ん…
期待していたのでほとんど予備知識を仕入れずに見に行きましたが、何を伝えたいのか理解できないまま、特にオチもなく話が終わってしまいました。
3人の女性が主人公の群像劇であるため、視点があっちこっち飛び、話の流れがわかりにくかった。もう一度見れば印象が変わるのかな?とも思いますが、二度目はスクリーンじゃなくてテレビでいいかな。
ただし女優さんの演技はとても良かったです。
これから見に行こうという人は、最低限ここの解説をよく読んで、3人の主人公の女性の名前を覚えておくとよいかもしれません。
女性のための作品
原作者がAV女優さんであることから分かるように、全編女性の視点。女性にとって働くとは?中でも、AVという職業の持つ意味は?母とは?娘とは?
作品中での登場人物の心の動きについて、男性として理解し難い部分も結構あった。(女性からすると容易に理解できることなんだろうけど。)
多分、女性が鑑賞すると面白く興味深いのではないか。
さすが、東京国際映画祭ノミネート作品!
4回も泣いてしまった。
女性にもおすすめの映画。
誰にでもある日常、家族、母子の関係、情熱を感じ、ヒューマンドラマとしてもおすすめである。
原作「最低」を読んだが、瀬々監督、女優、ストーリーもあわさって、更にパワーアップしている。
AVという社会通念をこえるという関係者の思いもある気がする。
ストーリーが始まるににつれて、すっと入っていける数少ない映画!
バックストーリー
進学の為に上京したが大学には行かずAV女優になった女性と、結婚生活に悩みAVに出演する決断した主婦と、母親が元AV女優であることを知った母子家庭の女子高生の3つのストーリー。
女子高生についてはまだしも、現役の二人については金に困ってという訳でもないし、それなりの覚悟をしてそういう仕事をする訳で、苦悩や後ろめたさはわかるけど、選択をしたのはいい大人の自分だし、言い訳っぽくなってしまっているのが引っかかる。
姉の告白とか妙な繋がりとかは余計だし、撮影シーンはそんなに尺をとる必要もなかったんじゃないかな。
重過ぎず軽くもなく、感動したり泣いたりする様な話ではないけれど、苦悩や覚悟等、抱えているものとこれからを感じられなかなか良かった。
エロの現場を渦巻く苦悩
第30回TIFF鑑賞記録
13作目
良いです。
本当にR15で良いのかというくらい過激なラブシーンのある映画でしたが、不思議とあまりいやらしさを感じませんでした。
いやらしさと言うよりも非日常的な描写として、女性達の感情を描いている映像だと思いました。
とても切ない映画です。登場人物達の苦悩と悲壮感が伝わってきます。
しかし、女性達は何かを諦めている訳ではなく、生きる為にただもがいているという
エロを多角的に凝視する
東京国際映画祭2017コンペティション
AV業界を軸とした人生物語。複数の物語、映像、女優、欲望、そういった物語機微が絶妙に絡み合い、深い感動を覚えた。
原作が女性で、作品の監督が男性という性的な映画であるが故なのか、エロスの表現が実に多彩なように感じた。
AVの需要があるからそれを逞しく利用する女性がいる、といった単純で偏った見方などは一切なくて、その世界で生きている・繋がっている人々の生き様をリアルに感じとることが出来た。
性描写もたくさん出てくるし、フィニッシュを何度も見せられる。しかし、不思議と、体や絡みなどよりも女性の表情に目がいって、複雑な感情を読みとることができた。
明らかに絵よりも感情を表現しようという意図が感じられる作品であったし、ものの見事に成功していると思った。
それも素晴らしい役者のパフォーマンスがあってこそなのかもしれない。
良い悪いという前に、非常に魅力的な作品だった。
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