「ロードムービーのワンエピソード(犬だけに)」ウェンディ&ルーシー masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)
ロードムービーのワンエピソード(犬だけに)
ケリーライカート研究3弾
家とか住所とか住む所無いと携帯も持てないし仕事にも付けないという貧困地獄車、、まあ日本も似た感じだが医療費も激高のアメリカはやはりかなりエグいなぁ。
犬のルーシーとアコードに乗って仕事が一杯あると言うアラスカを目指すウェンディのロードムービーのはずが、金無し、車壊れ、万引きしたら捕まって犬がいなくなってしたってにっちもさっちも行かなくなってしまった話。
小さな事でつまずき、慌てて判断をあやまり、どんどんバランスを崩して立っている事もできない状況に割と人間はなりやすい。犯罪物でもこれは定石だけどケリーライカートはそんな設定は選ばず、こういう小さなネタにグイグイ首を突っ込んでいき、それが普通に僕らにも起きうる事を再認識させ、息が出来ないような追い詰められた感情を掘り返す。そしてそれを見守る人の優しささを宝石の様に見せる魔法も上手い。
おっちゃん何故か倉本聰の「北の国から」思い出してしまいましたww
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