「【"この世界は、生きるには厳しいが意外と悪くない・・。”貧しき女性と、愛犬ルーシーがアラスカへ向かう途中のオレゴンで経験した様々な事を、現代アメリカに対する重いメッセージを込めて描いた作品。】」ウェンディ&ルーシー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"この世界は、生きるには厳しいが意外と悪くない・・。”貧しき女性と、愛犬ルーシーがアラスカへ向かう途中のオレゴンで経験した様々な事を、現代アメリカに対する重いメッセージを込めて描いた作品。】
ー 現代アメリカ社会の貧しさと、個人の尊厳を描いた彷徨譚。ー
■ほぼ無一文のウェンディ(ミシェル・ウィリアムズ)は、仕事を求めて愛犬・ルーシーと共にオンボロのアコードで、アラスカへ向かっている。
だが、道中のオレゴンで車が故障した上、ルーシーのドッグフードが無くなってしまい、万引きしたウェンディは警察に連行されてしまう。
ようやく釈放されるも、ルーシーが行方不明に…。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・最近、ケリー・ライカート監督作品を少しづつ鑑賞している。
この監督の作品は、虚飾性を極力排し、アメリカで生きる、市井の人々の姿を、淡々と映しながらも、様々な問題提起や、感動を齎してくれる。
・今作もその中に入るであろう。
貧しき女性のウェンディはアラスカを目指して、オレゴンまでやって来るが、様々な出来事に遭遇し、窮地に立たされる。
だが、一方では朝八時から夜八時まで働く老警備員の様に、彼女に快く携帯を貸し、様々なアドバイスをし、少しのお金まで恵んでくれる人物も描かれている。
・居なくなった愛犬、ルーシーもキチンとした家で大切に育てられており、ウェンディはその姿を見て、安心と哀しみから涙するが、”いつか迎えに来るから・・”と言って、一人ホーボーの様に、貨物列車に乗り、アラスカに向かう。
このラストは、様々な問いを見る側に訴えながらも、心に響くシーンである。
<今作は10数年後に公開された「ヒルビリー・エレジー」の様に、現代アメリカで問題になっている貧困白人層や、アメリカの田舎の実態を先見性を持って描いている。
が、今作からは微かな希望が感じられる。
少しづつ、ケリー・ライカート監督作品を鑑賞して行こうと思わせてくれた作品である。>
NOBUさんへ
八丁座にはシアターが2つあり、1はIMAXを除けば広島でも最大級のスクリーンのシアターです。「ミニ」じゃ無いんですね、コレが。2の方は、対極のミニミニシアターです。お待ちしてますw
NOBUさんへ
私も、昨年ケリー・ライカート作品一気上映大会のおかげで、4作ほど見ることができました。ミシェル・ウィリアムズ出演作で謎の未鑑賞作品だった、W&Lとミークス・カット・オフは見たかったんです。2020年アメリカでは公開されている「ファースト・カウ」も見たいです、劇場でw