きみの鳥はうたえるのレビュー・感想・評価
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うまく感想が言えない
「バイト先のちょっと可愛い子と仲良くなってセックスして、同居人と3人で飲んだりクラブ行ったりビリヤードしたりする話」。大体それだけ。なのに面白いし、観たあとのこの感触はなんだろう。全然うまくまとめられなくて、ただ3人の表情が脳裏から消えない。
原作ファンでなくてもガッカリなのでは?
原作ファンにとっては、もはや許されないほど改編・・・・というより、大省略されており、何とも虚しいと思う。 原作は、どちらかというとサスペンスであり、もっと言えばハードボイルドに近い青春小説であるのだが、映画は生ぬるい恋愛映画になってしまっている。 男二人に女一人という三角関係は、映画界における伝統的なトリオであり、いまさら感があるが、こう正面切っててらいなく表示されるにつけ、製作者の若さを感じてしまう。その意味では、原作ファンでなくてもガッカリなのではと思った。 また、「僕」の造形も一面的で愛すべき存在ではないし、佐知子に共感出来る人間も少ないと思われる。それらの点は原作においても同様なのだが、それだからこそ静雄のキャラが立つのだが、せっかくのそれも大省略によって封印されるのだ。失敗作であろう。
血が通う感覚
曖昧さが初めは心地よく、刹那的な関係性の主人公たち3人はフワフワと空を漂う風船みたいだった。自分たちで物事を決めず、漂う3人。 曖昧な関係性で恋人同士のような関わりをもつ、僕とさちこ。僕のあやふやな返事に傷つきながら、不倫している身のさちこもまたあやふやな態度なのでおあいこと言えばそうだか、さちこの想いは僕に向いていく。 最後は自分で物事を決め、言葉に、態度に、血が通った感覚がよく伝わってきた。 それまでは、よほどこもってなかったのねと思うほど、僕の顔つきに必死の想いが浮かんでいた。 鳥は空を飛ぶだけじゃなく、きれいな歌声も持ち合わせている。さちこがそうであったように、漂うような曖昧な生活ではなく、自ら羽ばたける人に成長することで、100分を通して、ラストにやっと血が通ったのだと感じた。
石橋静河をしっかりとステップアップさせる作品
個人評価:3.8 3人の役者が素晴らしく自然な演技な為、ずっと見ていられる若者達の群像劇。 誰しも当てはまるような、若かれし日を切り取ったかの様な脚本なので、見る側が自身の青春期と重ねて見てしまうような、メランコリックな作り方。 キャラクターの掘り下げ方や、脚本としては光る部分は無いが、とても邦画的で、昔の行定勲のような世界観を彷彿させ、1人の女優に焦点を当てる方式が似ている。そして本作も石橋静河という女優をしっかりとステップアップさせる作品に仕上がっている。
心は漂い彷徨い、結び付く
その季節が続く限り、身を委ね楽しみ合う過程で、変哲のない世界が、小さな変化の連動で、琴線を微動し、その時季を色づかせる。三者が持ちよう空気感の交差が、そんな作風を仕立て上げている。
淡い青春の物語を全体で表現している とても共感する部分が多かった ...
淡い青春の物語を全体で表現している とても共感する部分が多かった 声にならない感情がこんなにも伝わることはないだろう 石橋静河の演技は完璧だった
難解だが面白い
別のレビュアーさんが「映画らしい映画。シネコンにはかからない方の。」と言われていた通り。すべてを画面で納得させる映画で、客にストーリーを理解させようという意志が全くない。いや、そもそもストーリーと言えるものがあるのかどうかすら、途中まではわからない。(原作が小説なのだから、ストーリーはあるに決まっているのだが…)シネコンにかかるようなわかりやすい映画しか見たことがない客が見たら、金返せとなること請け合いである。 にもかかわらず面白く見られるのは、これはもう、役者が魅力的だから、ということに尽きるだろう。もう何度か見て味わってみたい。 内容的には「突然炎のごとく」に似ているので、この手の映画が好きな方にはおすすめ。
「やっぱり誠実じゃないんだね」
原作は未読。しかしその構成力はかなりの完成度の高さを窺える。純文学の映画化というカテゴリとしては秀逸なストーリー構成だと唸らせれる。 展開も不規則なスピードで進み、緩慢と唐突が変拍子で畳み掛けられる。そもそも、情報を観ずに思い込みも手伝って染谷の役が主人公かと勘違いしていたら、まさかの柄本の役のナレーションが流れるのが意外であった。そして、その間に入ってくる女の見た目と恋愛観のギャップ。そう、今作品はギャップ萌え、ゲインロス効果がかなりの演出を影響足らしめているのである。 それぞれ3人の群像劇的シーン割りもあるが、あまり細かくは説明はされない。ましてや回想シーン等もないので内容自体にはあまり思い入れを抱かせないような造りにはなっている。それよりも、今現在の3人のそれぞれの思い濃淡となって演じられているように感じる。何を考えているか分らないような煙を蒔くようなイメージは3人の共通項なのだが、そんな3人が“ドリカム”状態になったとき、その化学反応が徐々に沸き上がる流れだ。女がフラフラする様、どことなく狂気を秘めてる男、狂気が漏れてしまう男。しかし周りの大人達の色々な言動に接する内に女に対する想いが徐々に正直になってゆく。そしてラストは正に圧巻である。オープニングの“待ち”の気持を表現した“数を数える迄に来る”というフリから、クライマックスのその数を数える事自体が馬鹿馬鹿しくなり、自ら走り帰り、そして今までの嘘と、そして正直な想いと、上司を馬鹿にしていた筈の少なからずの嫉妬心が綯い交ぜになったようなそんな複雑さで告白をする。そして女の何とも言えない顔。。。石橋静河の非凡さがここでも開花している場面である。あれだけの複雑な心情をここまで表現した顔を他作品で観たことがない位、喜び悲しみ怒り落胆の全てをモザイク状に表現した顔は本当に白眉である。このクライマックスの為にここまでのストーリーという“フリ”が全て回収される大変良く出来た作品だ。それまでのトリッキーなリズムをラストで全て帳尻合わす緻密さに賛辞を贈りたいと思わせる大変良く出来た内容であった。これまでの若い乾いたそして“ええかっこしい”クールな青春が、しかしはっきりと大人のドロドロさ、執着、そして“本気さ”に否応なしに参加していくテーマを見事に表現していた希有な映画である。
想像通りに軽やかな雰囲気ではじまった物語。 最後の最後の展開の為に...
想像通りに軽やかな雰囲気ではじまった物語。 最後の最後の展開の為に用意されたかの様な、無関心で執着がなくて、楽しくふわふわしている、なんて事ない日常。これが結構心地いい。 遊び疲れてふらふら歩く人気の無い早朝の街の空気も、まぶたは重いのにテンションが張り詰めている空っぽの頭も、よくも悪くも生々しく感じた。 本気だしたらカッコ悪くてしょーもなく駄目な僕、人間らしくてニヤリとしちゃった。
意外とまともな映画
星🌟🌟🌟🌟 予告編がまったりした感じで好みじゃないかも… と見るのを迷ったのですが… まったり感は余りなく意外とテンポよく話が進んでいく良くできた作品でした❗柄本佑と染谷将太はもちろんヒロイン役の石橋静河の演技がすごく良かったです❗ラスト石橋静河演じる佐知子がどうするのかすごく気になります❗単館系好きな人はオススメです❗ 余談ですが石橋静河さん誰かに似ているな❗とずっと思っていたのですが…若い頃のさとう珠緒でした🎵
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