「若手実力派3人は佐藤泰志の世界観から何を感じたか」きみの鳥はうたえる 大塚史貴さんの映画レビュー(感想・評価)
若手実力派3人は佐藤泰志の世界観から何を感じたか
夭折の作家・佐藤泰志の著書を映画化し続けてきた菅原和博氏いわく、函館・新3部作と銘打った1作目。最初の3部作は熊切和嘉、呉美保、山下敦弘という映画界で認知された実力派を監督に起用してきたが、今回は若手の三宅唱を起用することで、どのような相乗効果をもたらすか……。
果たして、出来上がった作品は良い方へと転んだ。それも、柄本佑、染谷将太、石橋静河という若手実力派が実に瑞々しい存在感を函館の街に違和感のない速度で馴染ませ、佐藤泰志の思いに寄り添っている。この3人が上手いのは誰もが承知しているだろうが、それにしても石橋静河という俳優の一挙手一投足から目が離せなくなるような強烈な個性に震える。
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