劇場公開日 2018年9月1日

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「【瞬間の夏と答え】」きみの鳥はうたえる ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【瞬間の夏と答え】

2021年10月14日
iPhoneアプリから投稿

※ クラブの場面で石橋静河さんのダンスが見られるのと、カラオケでのシーンで「オリビアを聴きながら」が聴ける。お姉さんの優河さんの歌声にも似て、ちょっと歌手もやらせてみたくなる。

ずっと夏が続く。

そんな思いに駆られる瞬間は、僕にもあった。

だが、それは幻想......というより、自分がそこに止まって変わらないというだけのことだと、いつか気付くのだ。

原作の舞台は、東京の国立だが、映画は函館に置き換えられている。

函館三部作後の作品。

もし、肌感を言うなら、吸い付くような感触だ。若く吸い付くような肌感。

「若さって無くなっちゃうもんなのかな」

多くの若者が、いつか取り込まれる社会に抗うように、自由であることを謳歌できないのかと考える。

社会に取り込まれるように思えて、何であれ真剣に考えようとしない。

どうにでもなると思っているのか。

何にでも逆らってみたい。

そのうち、自分の本当の気持ちに向き合うことも出来なくなる。

カッコつけてても、好きかどうかも言えない。

それは自由なのか。

「楽しんで遊んで何がダメなの?」

「佐知子は何も分かっていない」

静雄の言葉は重い。

様々なことに抗って見出せる何かがあるのかもしれない。

しかし、抗うことが自由とイコールではないはずだ。

男2人と女1人のバランス。

崩れるバランス。

自由とは自分の気持ちに正直であることではないのか。

やはり、何にでも抗うことは自由とは異なるだろう。

北海道の夏は短い。

永遠に続く夏なんてないのだ。

だから、瞬間瞬間を自分の気持ちに正直に生きてみることが重要なのだ。

「好き」

※※

The Beatles ー And Your Bird Can Sing(訳)

君は欲しいものはすべて手に入れてきたという
そして君の鳥は歌うことができる
でも君は僕を手に入れていないよ 手に入れていないんだ

君は世界の七不思議を見てきたという
そして君の鳥はまだ若い
でも君は僕が見えていないよ 見えていないんだ

君の自慢の所有物が重荷になりはじめたら
僕のほうを見るんだ
君のそばに僕がいるだろうから そばにいるはずなんだ

君の鳥が傷ついたら君は落ち込むことになるだろう
君は気付かされるかもしれない
君のそばに僕がいるだろうから そばにいるはずなんだ

君はありとあらゆる音楽を聴いてきたという
そして君の鳥は奏でることができる
でも君は僕の演奏を聴くことができないよ 僕の音を聴けていないんだ

ワンコ