「【瞬間の夏と答え】」きみの鳥はうたえる ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【瞬間の夏と答え】
※ クラブの場面で石橋静河さんのダンスが見られるのと、カラオケでのシーンで「オリビアを聴きながら」が聴ける。お姉さんの優河さんの歌声にも似て、ちょっと歌手もやらせてみたくなる。
ずっと夏が続く。
そんな思いに駆られる瞬間は、僕にもあった。
だが、それは幻想......というより、自分がそこに止まって変わらないというだけのことだと、いつか気付くのだ。
原作の舞台は、東京の国立だが、映画は函館に置き換えられている。
函館三部作後の作品。
もし、肌感を言うなら、吸い付くような感触だ。若く吸い付くような肌感。
「若さって無くなっちゃうもんなのかな」
多くの若者が、いつか取り込まれる社会に抗うように、自由であることを謳歌できないのかと考える。
社会に取り込まれるように思えて、何であれ真剣に考えようとしない。
どうにでもなると思っているのか。
何にでも逆らってみたい。
そのうち、自分の本当の気持ちに向き合うことも出来なくなる。
カッコつけてても、好きかどうかも言えない。
それは自由なのか。
「楽しんで遊んで何がダメなの?」
「佐知子は何も分かっていない」
静雄の言葉は重い。
様々なことに抗って見出せる何かがあるのかもしれない。
しかし、抗うことが自由とイコールではないはずだ。
男2人と女1人のバランス。
崩れるバランス。
自由とは自分の気持ちに正直であることではないのか。
やはり、何にでも抗うことは自由とは異なるだろう。
北海道の夏は短い。
永遠に続く夏なんてないのだ。
だから、瞬間瞬間を自分の気持ちに正直に生きてみることが重要なのだ。
「好き」
※※
The Beatles ー And Your Bird Can Sing(訳)
君は欲しいものはすべて手に入れてきたという
そして君の鳥は歌うことができる
でも君は僕を手に入れていないよ 手に入れていないんだ
君は世界の七不思議を見てきたという
そして君の鳥はまだ若い
でも君は僕が見えていないよ 見えていないんだ
君の自慢の所有物が重荷になりはじめたら
僕のほうを見るんだ
君のそばに僕がいるだろうから そばにいるはずなんだ
君の鳥が傷ついたら君は落ち込むことになるだろう
君は気付かされるかもしれない
君のそばに僕がいるだろうから そばにいるはずなんだ
君はありとあらゆる音楽を聴いてきたという
そして君の鳥は奏でることができる
でも君は僕の演奏を聴くことができないよ 僕の音を聴けていないんだ