「脚本、演出、役者の演技が一体を成す傑作」きみの鳥はうたえる しろくまさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本、演出、役者の演技が一体を成す傑作
傑作。
といってもハリウッドの大作の5点とは違うんだけれどね。
小さな映画館で夜遅くに観るのがよい。
そういう、言ってみればマイナーポエットの良さ、ではあるんだけど。
言うまでもないが主演の3名の演技がとってもよいね。
柄本佑は評価の高い「素敵なダイナマイトスキャンダル」よりも、こちらのほうが良いように思えるし。
何より石橋静河がいい。彼女はスクリーンで観るとほんとうに魅力的だ。
冒頭、柄本のモノローグで「この夏がずっと続くと思っていた」の通り、永遠にこの時間が続くと、そうであればいいと思わせる映画でありながら、着実にストーリーは進む。
脚本、演出、役者の演技の一体感が素晴らしい。さらに言えばロケ地函館の街の空気感も含めて。
テキトーに生きているかのように見えるんだけど、もがいているんだよね。
その「もがき」を、石橋静河のアップの長いカットに収斂させるラストシーンも、秀逸で余韻を残す。
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