劇場公開日 2018年9月1日

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「不愉快な感情しか残らない。」きみの鳥はうたえる 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0不愉快な感情しか残らない。

2018年9月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

佐藤泰志の原作は未読だが、「そこのみにて光り輝く」が小説も映画も傑作だったので期待はあった。

しかし。
これは原作もこんな薄っぺらで堕落した話なのか?
この三人は無気力がイカしてるとでも思っているのか?
バイトだからって精気のない仕事ぶりが許されるのか?
金もないのにキャンプとかどんだけ呑気なんだ?
佐知子という女には節操がないのか?
この三人には、「そこのみにて」の主役の二人のような、貧乏だけど筋は失わない矜持はないのか?

上昇志向がないのは構いはしないが、あんな生き方をさも美しいかのように描くはよしてほしい。いい役者つかいながらこんなもの撮りやがってというのが正直な感想だ。
このあと原作を読むつもりだったのだが、気分は萎えた。おそらくタイトルの意味はそこにあるのだろうが。

栗太郎
栗太郎さんのコメント
2018年9月24日

マーティーさん、ありがとうございます。
「And Your Bird Can Sing」のことは知っていました。ただ、映画からはその意味がちっとも感じなかったのです。この話は、作家佐藤泰志が「黄金の服」のときにロルカの詩を引き合いにしたような手法で、物語にでてくる若者たちの偶像をやんわりと描くことを目指しているのでしょう。
あらためて歌詞の和訳を読み返してみると、何でも手に入れたと言ってる友に、でもまだ君は僕のことをわかっていない、と歌ってます。ああ、ここか!と膝を打った思いでした。それは、この歌詞の言葉はどこか静雄の心の声のように聞こえてきたからです。あの意思の希薄そうな表情はどこからやってきているのか、と思っていたので腑に落ちたのです。そして、母親を、ですか。それ、ネタバレですよ(笑)。でも、おかげでつながりました。
となると今度は、映画の表現はとても中途半端すぎると改めて思うのです。レビューに書いた感想は変わりません。でも原作を読みたい気分は起きてきました。
きっかけをくださったコメント、ありがとうございました。

栗太郎
ビビさんのコメント
2018年9月24日

原作はビートルズの曲名からきています。舞台は東京。
そして、最後静雄が母親を殺しに行きます

ビビ